国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

人類学的知識の活用

研究期間:2004.4-2005.3 / 研究領域:文化人類学の社会的活用 代表者 田村克己(民族社会研究部)

研究プロジェクト一覧

研究の目的

めまぐるしく変化する今日の状況にあって、学術研究の社会的意義はあらためて問われており、民族学・文化人類学もその例外ではない。本プロジェクトは、こうした現状への認識にたって、(1)社会が人類学の分野にどのような関心や養成を持つか、(2)社会のなかの人類学のあり方を考察し、その実践的領域への展開を探ることを目的とする。そうした課題に対し、人類学者の個別のフィールドワーク及びそれにもとづく民族誌的知識がどのように関わるのか検証するとともに、人類学的知識がこれらの課題にどのような問題提起ができるかを明らかにしている。
そして、以上のような具体的事例の検討をふまえ、人類学と社会のインターファイスに関わる領域での理論的展開をはかる。

研究の内容

過去2年間、本研究プロジェクトと目的を同一とする共同研究「人類学的知識の使われ方・使い方 ─ 医療・開発・教育」を行ってきて、社会の実践的立場に立つ人びとからの報告ならびに、それから導き出される諸課題について一定の見通しを立てているところである。このプロジェクトにおいては、上記の共同研究の成果をふまえ、国際シンポジウム「人類学的知識の活用」を2004年10月28-29日に開催し、かつ30日には、公開フォーラムを開いて、その成果を広く社会に公開する。また上記シンポジウムならびに共同研究会の成果をあわせて論集、あるいは報告書を出版する予定である。

2004年度成果

●国際シンポジウム「現代世界における人類学的知識の社会的活用」 2004年10月28-30日