国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

社会主義的近代化の経験――幸せの実現と疎外 ★

2011年4月25日刊行

小長谷有紀、後藤正憲 共編

明石書店
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

社会主義のもとで人びとはどのように生き、その幸せはどのように実現され、またどのように疎外されたのか。本書は、「近代と伝統」「マテリアルと表象」「認識と信仰」「経験と記憶」をトピックに、偏見を排し、彼らの生活実態から社会主義を明らかにする。

目次

序章:経験された社会主義の比較 小長谷有紀
Ⅰ 近代と伝統
第1章 「社会主義」は経験されたか?―ビルマ農村における調査事例から 田村克己
第2章 近代のプロジェクトとしての村落調停―社会主義建設期ベトナムの和解組制度にみる共同体の物語 加藤敦典
第3章 ベトナム南部少数民居住区における「文化的な村建設」運動と儀礼的実践の現在 吉本康子
Ⅱ マテリアルと表象
第4章 「フジュム」への視点―1920年代ソ連中央アジアにおける女性解放運動と現代 帯谷知可
第5章 スターリン期ソ連文化におけるジェンダー表象―映画、美術における女性イメージ 貝澤哉
第6章 偽史の想像力―イリヤ・カバコフ「架空の芸術家」伝記 鴻野わか菜
Ⅲ 認識と信仰
第7章 ベトナム社会主義における「人間」の位置 栗原浩英
第8章 宗教と「ホー・チ・ミン崇拝―カオダイ教組織の「記念儀礼」という社会主義的経験 伊藤まり子
第9章 ボンチ=ブルエヴィチとレーニン廊の思想 下斗米伸夫
Ⅳ 経験と記憶
第10章 モンゴルにおけるポスト・スターリン時代の憂鬱―「知識人迷い」と名付けられた抵抗 小長谷有紀
第11章 ポスト社会主義期ルーマニアにおける語りと現在―調整地で「聞き取る」ということ 新免光比呂
第12章 思い出すために忘れる―チュヴァシ農村における集団の記憶 後藤正憲
あとがき