国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

政治的アイデンティティの人類学――21世紀の権力変容と民主化にむけて

2012年3月30日刊行

太田好信 編著

昭和堂(京都)
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

世界各地で生起する先住民運動の政治的可能性を検討した。先住民運動は、冷戦構造終焉後に隆盛したといわれる「アイデンティティの政治」の一種として批判的評価を受けることも多い。しかし、本書では、先住民というアイデンティティを、21世紀におけるリベラル民主国家の限界を乗り越える力をもつ「政治的アイデンティティ」として位置づけている。

目次

序 章  21世紀における政治的アイデンティティの概念化(太田好信)
第1章  政治的アイデンティティとは何か?―パワーの視点からアイデンティティを分析する批判理論に向けて(太田好信)
第2章  キベラ・レッスン―ケニアにおける土着性とヌビアのアイデンティティ(慶田勝彦)
第3章  国家のなかで民族を生きる―2007年ケニア総選挙後の牧畜社会におけるアイデンティティの出現と消滅(内藤直樹)
第4章  博物館と政治的アイデンティティ―北海道の地方博物館を例に(出利葉浩司)
第5章  ジェンダー・エスニシティ・宗教との交渉―北米アジア系女性の複合的アイデンティティ(黒木雅子)
第6章  国際法から「先住の民、先住民」への呼びかけ(清水昭俊)
第7章  カラハリ先住民の静かな戦い―南部アフリカの先住民運動と政治的アイデンティティ(池谷和信)
第8章  ナシオン・プレペチャの試み―メキシコ・ミチョアカン州における先住民地域自治の模索と挫折((小林致広)
第9章  ジェノサイドと排除―内戦後のルワンダと国際社会(武内進一)
第10章 国家と民族に背いて―アイデンティティの生き苦しさ、韓国を去りゆく人びと(太田心平)
あとがきには、共同研究会の成果報告である旨、明記しております。