国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

リスクの人類学――不確実な世界を生きる ★

2014年6月10日刊行

東賢太朗、市野澤潤平、木村周平、飯田卓 編

世界思想社
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

リスクが技術・制度として浸透し、個々人がリスク・コンシャスな主体として立ち上がる「リスク社会」。本書は、そのメカニズムを人類学の立場から批判的に考察し、オルタナティブを模索する新たな試みである。

目次

第Ⅰ部 技術・制度としてのリスク
第1章 多産、人口、統計学的未来:インドにおけるリスク管理としての産児制限(松尾瑞穂)
第2章 「安全な水」のリスク化:バングラデシュ砒素汚染問題の事例から(松村直樹)
第3章 未来の地震をめぐるリスク:日本における地震の「リスク化」プロセスの素描(木村周平)
第Ⅱ部 リスク・コンシャスな主体
第4章 危険だけれども絶対安心:ダイビング産業における事故リスクの資源化(市野澤潤平)
第5章 航空事故をめぐるリスクの増殖:コミュニケーションというリスクに関する理論的寓話(渡邊日日)
第6章 リスクと向かいあうことから遠ざけられる人びと:非リスク化の〈装置〉と「迷惑施設」の展開 (吉井千周)
第7章 HIV感染リスク認知の「ずれ」:日本の研究者とゲイ男性のあいだの事例から(新ヶ江章友)
第Ⅲ部 「リスク社会」へのオルタナティブ
第8章 「待ち」と「賭け」の可能性:フィリピン地方都市の無職と出稼ぎ(東賢太朗)
第9章 自然と向きあうための技術的対応と社会的調整:マダガスカル,ヴェズ漁民が生きぬく現在(飯田卓)
第10章 無力な死者と厄介な生者:エチオピアの葬儀講活動にみる保険・信頼・関与(西真如)
第11章 オルタナティブな世界の構築:アメリカ合衆国のファット・アクセプタンス運動を事例に(碇陽子)