国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館外での出版物

身をもって知る技法――マダガスカルの漁師に学ぶ(フィールドワーク選書8)

2014年11月30日刊行

飯田卓 著

臨川書店
【科研プロジェクト成果】

出版物情報

  • 出版社:臨川書店 出版社ホームページはこちら
  • 定価:2,000円(税抜)
  • ISBN:978-4-653-04238-9
  • 判型・体裁:四六判・並製・紙カバー装
  • 頁数:226頁
  • 科学研究費補助金による研究プロジェクト 特別研究員奨励費「自然資源の持続的利用に関する人類学的研究」成果

主題・内容

「身をもって他者を知る学問」として文化人類学をとらえ、調査地の人間関係のなかに身を置く重要性や、身体で感じられる自分の主観を調査データとして扱う手順などを論ずる。

目次

はじめに
コラム
第1章 人にとって海とはなにか――問題を立てる
フィールドをみつけよう/現代社会の「他者」/おもしろいことを探せ/「身をもって知る」という方法/船乗りも「身をもって知る」/マダガスカル/ヴェズ漁民
第2章 調査地をめざして――居場所を探す
あたらしい拠点/ヴェズ漁村を訪ねる/魚名を聞きとる/漁船(カヌー)での航海/調査地選び/トラック旅行/村入り
第3章 話しかけてもらいたい――住みこみ調査の開始
受け入れ先がない!/決断/村の寄りあい/地図を作る/食事を聞きとる/悉皆調査の意義/話しかけてもらいたい/不快から理解へ/個人名を聞きとる/漁に同行する
第4章 村の暮らしがみえてきた――資料を集める
生活の準備/定量的なデータ収集の意義/漁船の出入りを観察する/活動内容を観察する/漁獲を観察する/聞きとりの心構え/民族アイデンティティを尋ねる/村の歴史/葬儀と祭礼――関係を深める場/祖霊/ドゥアニ/村を出る/島への旅――最後の資料収集
第5章 首都アンタナナリヴまでの道のり――調査に備える
荷物の送りだしと入国/フィールド人類学者にとってのロジスティクス/渡航資金/装備について/健康――とくにマラリアについて/健康――予防注射と経口感染症、保険について/調査のためのことば/首都での人脈づくり/通信/食生活
第6章 20年後のマダガスカル――研究を展望する
インド太平洋の海の民/山の民と無形文化遺産/海の民と漁法改良
あとがき
参考文献