国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

国立民族学博物館論集(みんぱく論集)

『国⽴⺠族学博物館論集』は、本館における機関研究や共同研究の成果を研究者コミュニティーと社会にひろく公開することを目的とし、シリーズとして外部出版しています。新規には発行停止中。
[6]再分配のエスノグラフィ――経済・統治・社会的なもの

【最新号】2019年3月29日刊行
浜田明範 編 悠書館【共同研究成果】

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出版物情報

主題・内容

経済的格差を是正するための方策であると同時に搾取の手段として、あるいは、連帯の手立てである同時に統治の道具として議論されてきた再分配の多様性と重なり合いを、世界各地の実践の調査から明らかにする試み。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

再分配は、とかく、拡大するべきか縮小するべきかという枠組みで議論されがちですが、何をどうやって集めてどのように配るのかということには多様性があります。具体的な実践に注目することで、再分配についての議論をより豊かにできます。

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目次

序論 再分配を通じた集団の生成――手続きと複数性に注目して(浜田明範)
第一部 再分配をめぐる政治
第1章 誰がボタンを押すのか――フィンランドの緊急通報システムにみる要求/提供のダイナミクス(高橋絵里香)
第2章  再分配制度としての介護保険法とコミュニティの再編――沖縄・離島社会を事例に(加賀谷真梨)
第3章 再分配のアナロジー――インドにおける生モラルと国家制度の重なり合い(田口陽子)
第二部 集団の生成
第4章 メラネシア人類学における再分配の境界――「集団」と「戦争」をめぐって(里見龍樹)
第5章 執拗なる共食の実践――ガーナ北部の西ダゴンバ地域における穀物の不足と同居家族の経済関係(友松夕香)
第6章 再分配を通じた村人のつながりと差異化――ミクロネシア・ポーンペイ島における首長制と住民の帰属意識(河野正治)
第7章 12月のプランカシ――ガーナ南部において集める/集まるということ(浜田明範)
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