国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱっく 活用例「東洋文化史ⅠB」

 
Let's みんぱっく!!-活用例-
近畿大学 文芸学部
 
「東洋文化史ⅠB」

2018 年4 月から貸出を開始した、みんぱっく「世界のムスリムのくらし2」。
イスラーム(イスラム教)に着目し、世界中のムスリム(イスラム教徒)のさまざまな日常を教室で体験してもらうために制作した、内容もモノも盛りだくさんなパックです。
今回、大学の授業で活用されている様子を見学させていただきました。大学ではどのようにみんぱっくを活用しているのでしょうか。
みなさんの活用法のヒントになること間違いなしです!

 
利用期間 2018年9月28日~10月11日
利用したパック 世界のムスリムのくらし2 同時代を生きる
学年 大学2年生~4年生(60名)
利用科目 東洋文化史ⅠB
ねらい イスラームグッズを通じ、ムスリムの日常生活をより深く理解する

 

授業のながれ
全体の授業数……15回(1回90分)

第1回    自己紹介、授業の説明、前期の成績講評
第2回    イスラームグッズ大博覧会   ←今回こちらの授業を見学させていただきました!
第3回    モスクと礼拝
第4回    イスラームの聖地と巡礼・参詣
第5回    世界各地のイスラーム(中東)
第6回    ムスリムの恋愛・結婚
第7回    イスラームにおける食と断食
第8回    ハラール食品をめぐる諸問題
第9回    世界各地のイスラーム(西アフリカ)
第10回   イスラーム金融
第11回   サッカーからみる欧米のイスラーム
第12回   世界各地のイスラーム(サイバーイスラーム)
第13回   世界各地のイスラーム(トルコ)
第14回   世界各地のイスラーム(東南アジア)
第15回   まとめ

★みんぱっく「世界のムスリムのくらし2」は、第1回と第2回のイスラームグッズ大博覧会で使用されました。

 
 
授業

「東洋文化史ⅠA」「東洋文化史ⅠB」の授業は、近畿大学文芸学部で現代イスラームについて学べる授業です。前期と後期にそれぞれ開講され、段階的にイスラームについて学びます。前期の「東洋文化史ⅠA」では、イスラーム世界に通底する教義や理念などの基礎知識を学修し、後期の「東洋文化史ⅠB」では、実際のムスリムの宗教生活とその多様性について、さらに特化した内容を学修します。
みんぱっくは前期授業で1回、後期授業で1回、計2回ご利用いただきました。

 

イスラームグッズ大博覧会

第1回の授業で、みんぱっくの内容物40 点が並べられている中から好きなイスラームグッズを一人ひとつずつ選びます。第2回の授業では、そのモノがどのようにイスラームと関係があり、どのように用いられるのか、また、ムスリムにとってどんな意味を持つのか各自事前に調べてきたことを、一人1分~2分程度発表します。
みんぱっくの内容物は、教室の右前方の机に番号順に並べて配置。学生は自分の番が来たら、前回の授業で選んだモノを手に取り、調べてきたことや自分の考えを発表しました。

 

発表概要例

発表概要例発表概要写真

▲ 発表の様子

 

みんぱっくの解説(モノ情報カード)でタネあかし

前回の授業に出席した50人弱の発表が終わった後、「モノ情報カード※」をコピーした解説プリントとコメントペーパーが全員に配布されました。そして、先生から「この解説に書いてあることが絶対に正しいとは限りません。これは研究者が唱えているひとつの説です。みなさんが調べてきてくれたことが解説に書いてないからといって、間違っている訳ではありません。」との言葉で授業が締めくくられました。

※「モノ情報カード」は、みんぱっくTeacher ’s Pack に入っています。
また、みんぱっくホームページの各パックのページからもデータをダウンロードすることができます。

タネあかし

▲ 解説プリントでタネあかし        ▲ モノ情報カード(ダウンロード版)    ▲ モノ情報カード

 
 

(コメントペーパーより抜粋してご紹介します。)

学生の感想

1.自分の調べてきた内容と、みんぱっくの解説(モノ情報カード)との相違

学生の感想

2.今回のイスラームグッズ大博覧会で印象に残ったモノとその理由

学生の感想1
 
 
先生の感想

「東洋文化史ⅠB」では、イスラーム世界の統一性と多様性を理解することをテーマとしており、授業の半分ほどは東南アジアから西アフリカ、ヨーロッパ、インターネット世界など世界各地のイスラームの事例を紹介します。そこで、各地のムスリムの生活をより直感的に理解してもらうため、みんぱっく「世界のムスリムのくらし2 同時代を生きる」を利用させて頂きました。
授業ではアクティブ・ラーニングの一環として、学生がそれぞれのモノを選び、そのモノとイスラームとの関わりや、使い方について、1 週間の期間内に調べてきて発表するというかたちにしました。受講生が多いため、一人あたりの発表時間は短くなってしまいましたが、ほぼ全てのモノを紹介できるというメリットもありました。発表回で私が解説する時間は少なかったですが、その後の講義で世界各地の事例を扱うなかで、学生の発表と関連付けて解説することができました。最初にみんぱっくを利用させて頂いたのは、学生の関心を高めるという点で意義があったと思います。

(二ツ山達朗先生) 

 

学生の感想2 ◀ 授業終了後、学生からの質問に答える二ツ山先生
 
 
 
みんぱっく運用担当者の感想
 

みんぱっくは当初、小・中学校などの教育機関向けに開発し、運用を開始した学習ツールでした。しかし、運用から10 年以上たった今では大学などの高等教育機関からの利用希望もとても増えています。そこで、大学での活用例を充実させるべく取材に行ってきました。
今回、大学での講義を初めて見学させていただきましたが、学生さん一人ひとりの発表や視点がとても興味深く、パックの中身の魅力をさらに引き出していただいたように思います。
学生さんたちの発表の中で、調べきれなかったことや疑問が生まれたことなどの言及があると、その都度「それに関しては、今後詳しく授業で取り上げます」という先生のお言葉が入り、今後の授業がさらに楽しみになる内容だと感じました。限られた時間の中で次の授業への期待がふくらみ、学生さんたちは継続して学ぶことができるおもしろさを体験できたのではないかと思います。また、モノから得られるわずかな情報を頼りにさまざまな事柄を自分で調べ、他者の調査結果や研究者の解説と比較するという授業内容も大学ならではの活用方法だと感じました。今後、大学などの高等教育機関への貸出がもっと増えるといいなと思います。
授業の見学を快く受け入れてくださった二ツ山先生、ありがとうございました。

 
 
利用したパック

世界のムスリムのくらし2 同時代を生きる