研究概要|9-19世紀文書資料の多元的複眼的比較研究|「人間文化資源」の総合的研究

研究の意義・目的                    

第一には、人間文化を研究対象とする諸科学において素材の越境ともいうべき状況になっていることを捉えて、諸科学が共通して素材とする「文書資料」 (書籍も含む)を、それぞれの学問の立場から分析しつつ共通の土俵を築こうとすることを目的とする。これを複眼的研究という。第二には、世界各地域におけ る文書資料の比較研究を当該社会の特質との関係で行うことを目的とする。これを多元的比較研究という。

その意義は、前者においては諸科学それぞれの相対化が総合化への糸口になるであろうこと、後者においては各地域の学問が不可避的に持つ国民国家的枠組みの相対化である。

             

研究計画の概要・研究方法

毎年度に、a.学際研究会、b.海外招聘研究会、c.国際シンポジウム、の三つの活動を行う。a.が複眼的研究に該当し、b,c.が多元的比較研究 に該当する。諸科学や各地域の研究者に報告を依頼することになるが、学際研究であれ、国際比較研究であれ、日常の専門分野のタコツボから出るためには、研 究対象もしくは研究視角など、より多くの条件を近似のものに揃え、交流もしくは比較可能な枠組みを設定する努力が不可欠である。