The National Museum of Ethnology (Minpaku) is a research center for ethnology and cultural anthropology.

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アンデスの聖人信仰――人の移動が織りなす文化のダイナミズム  July 31, 2015 Publication
八木百合子 著臨川書店

出版物情報

主題・内容

20世紀後半、土地問題やテロリズムなどの影響により、都市への人口移動が進んだアンデス農村。本書は、そうした大きな社会変動を経験したアンデスの人びとが、村落と都市とのあいだで、自分たちの村の聖人信仰を力強く発展させてきた姿を描いたものである。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

本書では、文字記録の少ないアンデス地域でこれまで研究者の目にほとんど触れることのなかった村の歴史記録を紐解くことで、村落と都市という異なる社会空間を往還する動きのなかで、一つの信仰が新たな意味を帯び、変容を繰り返しながら発展してきた様相を丹念に解き明かしている。

目次

第1章 アンデス農村の聖人信仰 ―今日的状況―
調査地概況/村落の聖人をめぐる宗教実践/村における聖人の位置づけの変容
第2章 村の聖人をめぐる諸相の変遷 ―歴史記録の解析―
『聖人台帳』について/聖人をとりまく人びとを通じてみた祭礼の動向/奉納品からみた聖人信仰をめぐる状況
第3章 村落から都市へ ―首都リマの移住者と聖人信仰―
都市移住の様態/リマに暮らす移住者の組織化/リマ移住者たちの聖人をめぐる実践
第4章 聖人をめぐる村落/都市 ―祭礼にかかる支援の様態―
サンタ・ロサ祭礼の経済基盤/村落における支援獲得方法/都市において展開される祭礼支援