みんぱっく 活用例「いろいろな文化にふれてみよう ~ 国際理解・多文化共生 ~」
民族衣装を着てみたり、実際のモノや道具に触れる感覚、初めて見るモノにびっくりする様子など、
素直な感想がいっぱいです!
2016年1月18日~31日 | ||
「アイヌ文化にであう」 | ||
全校 1~6年生(890名) | ||
総合学習(国際理解・多文化共生) | ||
世界の様々な文化を学び、 未来を共に生きることについて学ぶ |
全校児童が総合学習の時間を使って国際理解・多文化共生について学びます。
世界の現状を知り、気づき、自分にできることを考え、実行するというのが学習のねらいです。
まずは全体でアイヌ文化について事前学習をし、その後、各クラスごとに多目的室に展示されている
「アイヌ文化にであう」パックの見学をしました。
総合学習(国際理解・多文化共生) でアイヌ文化について学習 |
後日、それぞれのクラス単位で体験学習 |
こどもたちの疑問「さあ、一緒にこたえを探そう!」 |
~ 先生より ~
実際の物を見たり触ったりできることは、こどもたちにとって他の文化を想像するうえで、とても助かるツールになります。これを使ってどんな生活をしているのだろう、と想いをめぐらせることから様々な気付きや発見をすることもあります。今回は、自分たちと同じ「日本」の中の文化ということで、自分たちとの違い、または共通点についても学んでいきたいと考えています。
アイヌの人びとの生活・歴史について学びました | アイヌの文様を切り絵で作りました |
クイズボード | クイズボード(サケの皮) | 文様体験ツール |
ンパオリ〈陣羽織〉・テクンペ〈手甲〉 ・マタンプシ・ホシ<脚絆> |
アイヌの人びとのたべもの |
アイヌの文様のいろいろ (それぞれ意味があります) |
~ 先生より ~
食べ物の写真で興味を持たせ、次に衣服などの学習へと移れるようにしました。衣服の横には文様体験や毛皮を置き、実際にふれることができるように工夫しました。
私たちが取材という形でお邪魔させて頂いたのは、5年生のクラス。事前に学習してから多目的室に来ているということもあり、しっかりと感想など述べていました。シカのひづめの玩具やクマの毛皮など、とても興味深そうに触っていました。中でも特にみんなの興味が注がれていたのがクイズボードの"サケの皮"で、大きな魚のかたちの皮にびっくりし、目がキラキラ輝いている様子は、見ているこちらにもわくわくが伝わってくるほどでした!
また、着付け体験でチンパオリ〈陣羽織〉を羽織った子は「なんだか強くなった気がする!」と楽しそうな様子。アイヌの刺繍の繊細さにも、多くの子が心を奪われたようでした。
刺繍のデザインはどうやって決めるの? | |
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私たちが刺繍をするときにデザインを考えるのと同じで、作るひとそれぞれの感覚を大事にします。 ただ、アイヌには昔から好んで使われている模様があるのでそれを組み合わせたりすることが多いです。 たとえば、モレウと呼ばれる渦巻きやアイウシというとげのある曲線の連続文様などです。 |
パックの中に入っていたような衣装はどんなときに着るの? また、それは今の児童たちが経験するような行事で例えたらどんなとき? |
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ふだんは私たちと変わらない洋服を着ています。私たちが成人式やお正月などに正装として和服を着るのと同じように「ハレ着」としてハレの日に着たりします。普段より少し「伝統文化」というものを意識する日に着ます。私たちも七五三の時に和服を着たり、お祭りのときに浴衣を着たりしますね。 |
サケの皮で靴の他に何を作るの? | |
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着物を作ることもあります。サケの皮は水に強く、風も通さない素材です。ただ、わざわざサケを捕って靴や着物を作っているのではなく、頂いた命を余すところなく利用しています。 |
アイヌの人たちはサケの他にどんな食べ物を食べている? | |
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今は私たちと同じようなものを食べています。サケ以外の魚介類、サンマやホタテなども手に入りやすいですし、北海道でよく食べられているジンギスカンも好まれます。もちろんハンバーガーやピザなども。昔は、食材の多くを山や川・海といった自然からとってきたので、山菜やシカなどの野生の動物、サケ以外にも多くの魚や貝、昆布などを利用しました。 昔から食べられていて、アイヌ以外の民族ではあまり利用しないものとしてはシケレベ(キハダの実)があります。甘くて少し苦い香辛料のようなもので、薬にもなります。かつての献立は、オハウ(塩味で仕立てた汁物)、雑穀などの粥、煮物、などが中心でした。 |
くまやアザラシなどの毛もさわりました。すごくふわふわしていたり、少しゴツゴツしているのもありました。
アイヌ民族の人たちの服のもようが手ぬいとは思えないくらいこまかくてきれいでした。
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アイヌ民族の人は、自分で狩りをしたり、ミシンもないのにきれいにぬえてすごいなと思いました。
アイヌ民族の人たちは、手先が器用だと思った。
※原文ママ(ひらがなを一部漢字に変換)
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高学年になるとアイヌという言葉を知っている人が、結構いました。アイヌ語を知っているよという児童もおり、びっくりしました。
今回はアイヌの人たちが食べていた食べ物や、家の写真なども掲示し、アイヌの人たちの伝統的な昔の生活を知ってもらおうと工夫しました。衣類に刺繍されている文様はアイヌ独特の模様であり、それを切り絵で作ってみました。広げて見た時の美しさに、児童は感動していました。
アイヌ文化にふれ、学んだことで、同じ日本にも様々な文化があることを知り、いろいろな民族、国の人と共に未来を生きるために、私たちができることは何かを考えるきっかけとなりました。
今回は、国際理解・多文化共生の授業の中で、どのように「アイヌ文化にであう」パックが使用されているかを見学することができました。
実際のものにふれる感動から、キラキラと目を輝かせているこどもたちの様子がとても印象的でした。日本の中に自分たちとは異なる「アイヌ文化」という伝統文化があることに驚き、かつて使用されていた伝統的なものにふれ、時代背景やさまざまな違いを学ぶことにより、こどもたちの中でもっと知りたいと思う気持ちが大きくなっているのも感じ取れました。
みんぱっく「アイヌ文化にであう」には、織り、編み、彫り、楽器、ことば、食事などさまざまな観点から選んだものが入っています。実際にさわったり体験したりすることで、より身近に文化をとらえることができ、ただ異文化としてとらえるだけでなく自分たちとの共通点を探すことにも役立てたのではないかと思います。授業を見ていて、座学だけではなかなか得られない、ものにふれることでこどもたちの内側からうまれた「気づき」があったのではないかと感じられました。その気づきが学習につながっていくと嬉しいです。
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