みんぱっく アラビアンナイトの世界
インド洋を航海したシンドバッドは、香料や香辛料をはじめとするさまざまな品物を持ち帰った。
a 沈香〈ウード〉
東南アジアに自生するジンチョウゲ科の植物が土中に埋まって腐敗し、芳香を発するようになったもの。古くから日本にも伝えられ、正倉院の宝物庫にもおさめられている。炭火でいぶすと香煙を発す。
b 白檀〈サンダル〉
南インド原産の樹木。よい香りがするため、古くから香木として用いられてきた。日本では仏像や細工物を作ってきた。線香の原料ともなるが、自然保護のために最近では代用品を使うことも多い。
c 竜脳〈カーフール〉
東南アジア原産の竜脳樹(フタバガキ科の高木。樹高数十mに達する)からとれる樹脂。天然資源保護のため、現在は樟脳で代用されている。
d にくずく〈ジャウズ・アッティーブ〉
マルク諸島(インドネシア)原産の高木の種子。香辛料として珍重された。ナツメグ、ニッキとも呼ばれる。ヨーロッパにも伝えられて、料理用として広く使われるようになった。
e ちょうじ〈カランフル〉
熱帯原産のフトモモ科植物から採れる香辛料。漢字では丁子と書く。クローブとも呼ばれる。香辛料として珍重され、料理に広く用いられてきた。香水や薬品の原料ともなる。
f こしょう〈フィルフィル〉
インド原産の香辛料。古くから非常に重要な交易品であり、コショウを求めて、中東やヨーロッパから多数の貿易商人が訪れた。珍重されるあまり、同じ重さの金と交換されたこともあった。
季刊民族学ファイル~民族学タテヨコ「調味料と香辛料」
貿易品セット