国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱっく 活用例「ペルーと出会おう」

池田市立伏尾台小学校
「ペルーと出会おう」
●平成17年11月4日 3時限目~4時限目
●学年:1年生
●パックの種類:「アンデスの玉手箱」
●利用科目:総合学習の一環で利用(導入)、文化祭での展示や体感
●学習のねらい:
お友達の中には、ペルーにルーツを持つお友達がいます。そのお友達の事をもっとよく知るために、ペルーについて「みんぱっく」を使って知ろう!
 
池田市立伏尾台小学校はとても積極的に異文化理解に取り組んでいらっしゃる学校の一つです。
毎年、秋に町全体で文化祭を開催されるそうですが、それに合わせて2学期は国際理解というキーワードのもとに1年生から6年生までが色々なテーマを設定し学習に取り組み、その成果を一つの部屋一杯に展示するそうです。
過去の文化祭は1年目は「在日韓国人の事をまなぶ」というテーマで展示したり、チヂミなどを作ったり、2年目は「世界のお茶」、3年目は「韓国・朝鮮について」、4年目は「中国と出会う」、5年目は「インドと出会う」、と毎回非常に好評だそうです。6回目となる今回は、「ペルーと出会おう」というテーマでペルーについて勉強します。そして5日の文化祭では、父兄の方々や学区内の方にもペルーの事を知ってもらったり、紫トウモロコシとフルーツのジュース“チチャ モラーダ”を試飲してもらうそうです。
 
4日の授業の流れ
国際理解教室と名付けられ、5日の文化祭のために四方の壁一杯に各学年のそれぞれの学習の発表の成果が展示された部屋に、「みんぱっく」は展示されていました。
国の紹介
衣装の試着
楽器の試奏
音楽を聴こう
音楽に合わせてゲームをしよう
いろんな物を自由に体感

 
国の紹介
アンデスパックの中身が衣装、楽器、その他と分けられて綺麗に並べられ、まずは1年生のみんなに先生がペルーという国について簡単に紹介します。
 
衣装の試着
次に「みんぱっく」の中のものを紹介していきます。教室中に並べられている中からまずは、衣装の紹介です。
「この服、着てみたい人!」 「はい!」「はい!」と、たくさんの手が挙がります。
やっぱり衣装は大人気で、じゃんけんで試着する人を決めます。
お祭り用の衣装と普段着を男女2人ずつが実際に着てみました。
「暑そう!」「派手だね」「スカートが凄いね」など感想が。
 
楽器の演奏
次は、楽器を試奏します。
先生が、一つ一つの楽器について、情報カードを見ながら説明してくれます。
ペルーのパックには9種類も楽器が入っています。
楽器も人気が高く、「楽器やってみたい人~!」の声にほとんど全員が希望しています。
一つの楽器につき、じゃんけんで一人が実際に吹いてみます。
なかなか難しいようで音が出ない笛もあるようです。
 
音楽を聴こう
音楽に合わせてゲームをしよう
先生がペルーの曲をかけます。ペルーの遊びの時に歌う歌だそうです。
まずは曲を聴いて、プリントを見ながら一緒に歌います。

次に音楽に合わせてするゲームを先生が説明します。
みんな円になって手をつなぎ、時計回りにまわります。
日本のハンカチ落としのようなゲームです。
が、結構たいへんそう!鬼になった人はケンケンで円の周りを回ります!
 
いろんな物を自由に体感
最後は、興味のあるモノを自由に体感します。
笛を実際に吹いてみたり、ギロやマトラカをならしてみたり、衣装も順番に着てみます。
男の子には楽器が、女の子には衣装と楽器が大人気です。
 
見学の感想
今回は初めて1年生の授業に参加しました。
2クラスの全員でアンデス・ペルーの事を知るきっかけとして「アンデスパック」の中身を見たとき、全員が「わぁ~!」と興味をもち、モノが並べられている机のまわりに集まり、初めて見るモノたちに釘付けでした。
「これはどうやって吹くの?」
「これは何に使うの?」
「これはどうやって音が出るの?」
「どうやって着るの?」
「これはなに?」

モノを見せてはたくさんの質問を投げかけてきます。
これには、驚きました。こんなに、たくさんの質問をされたのは初めてです。そして、同時に“こんなに興味を持ってくれるんだ!”とうれしくなりました。
時間が足りないのではないか、と思われるほど盛り上がり、子どもたちはモノから離れることはありませんでした。
モノを通して初めてかいま見た日本の裏側の国に興味を持ち、楽しい体験とともに子どもたちの心に残ったと思います。4日と翌日5日の体験を通し、世界のお友達に目を向けるきっかけになれば良いですね。