みんぱくのオタカラ
- 今月の見てみんサイト 2003年12月15日刊行
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たにんばり
● 欧米にわたった東アジアの凧
もういくつねるとお正月♪
の童謡にあるように、多くの子どもたちが、正月の凧揚げを待ちわびている。というわけで、クリスマスムードのカップルや百貨店を尻目に、早くも凧揚げの話である。「世界の金魚」(みんぱくe-news 16号)で書いたような、欧米における東アジア文化の受容を考えたい。
日本の検索サイトで「凧」を検索してみると、多数の博物館がヒットする。しかし、視覚的に充実しているのは、むしろ個人のサイトである。このことは、日本の凧文化の裾野が広いからであって、博物館が悪いのではないだろう。
わたしの気に入った個人サイトは、大橋栄二さんというかたが開いているサイトである。色とりどりの凧があるだけでなく、製作地域ごとに分類されていて、地方色がよくわかる。また、類型による索引や、インドネシアの凧など興味深いコンテンツもある。
<http://park2.wakwak.com/~eohashi/>
<http://park3.wakwak.com/~eohashi/>ところで、凧についての記録は、日本よりはるかに早く中国であらわれている。
<http://www.town.ikazaki.ehime.jp/kaite/kaite_history.php>
<http://www.chinavista.com/experience/kite/kite.html>(英語)中国では、凧のことを「風箏」と呼ぶらしい。検索サイトで面白そうなサイトを探そうとしたものの、中国語がからきし駄目なことと、検索エンジンが不調だったこと、おまけに原稿の締め切りが迫っていたことなどの諸事情が重なって、カラフルで面白そうなサイトが見つからなかった。これは今後の課題にしたい。(できれば、編集長の力を借りたい。)
ただ、いくつかのサイトをのぞいてみたところ、四角いものが多い日本の凧に比べると、昆虫や鳥をかたどったものが多いようだ。そういえば、似たような凧をみんぱくの中国展示場で見たことがある!ぜひ実地検証していただきたい。
英語で「kite」を検索してみると、凧販売のサイト(日本には少ないように思う)と、凧揚げコンテストの団体のサイトが見つかる。両者が明確に分かれているあたりが、英米文化圏風かもしれない。つまり、競技と商売が手をたずさえ合って急速に普及していくのだ。凧が子どもの遊びとされる日本とは、ここが違うのではないだろうか。
次のサイトは、スミソニアン博物館協会が主催している凧揚げ大会のサイト。
<http://kitefestival.org/>(英語)次はフランスの動画サイト。アメリカと同じく、変わった形の凧に人気が集まるらしい。
<http://www.mairie-dieppe.fr/cerf-volant/videos/videoF.html>(仏語)自家製の凧で競い合うのとは別に、アメリカなどでは、機能的に洗練された凧で滞空時間を競い合うという競技も盛んなようだ。アメリカ凧揚げ協会の機関紙の表紙を見ると、凧揚げがスポーツとして認知されていることがわかる。
<http://www.aka.kite.org/>(英語)スポーツ凧揚げは、欧米の伝統に属するのだろう。スポーツ凧や変わり凧が幅をきかせるなかで、伝統工芸的な色彩の強い東アジアの凧は、ややマイナーな位置にとどまっているように思える。アメリカの凧販売のサイトを参照してほしい。
<http://www.bigcitykites.com/index.html>(英語)それでも中国の凧は、インターネットで取引されている。それに対し、日本の凧を紹介するサイトは、ほとんどコレクターたちの紹介であるように思えた。 下はその一例。
<http://www.kiteman.co.uk/KitecollectionMainbothPages.html>(英語)スポーツ凧の伝統がある欧米でも、東アジアの凧が鑑賞用として受容されてきているようである。
**[参考文献]塚田誠之(編)『みんぱく発見4 アジアの凧』千里文化財団。
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