国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱく映画会

1997年3月29日(土)
人間にっぽん―だれでも胸にしまっている 生きざまがあります―
第26回みんぱく映画会

  • 1997年3月29日(土)
  • 14:00~16:00
  • 解 説:大森康宏(国立民族学博物館教授)
 

【image】 『リンゴとバイオリン』
制作:国立民族学博物館
撮影・監督:大森康宏
[1987年、16mm、45分、カラー]
長野市でリンゴをつくっている人が戦時中、中国でバイオリンの名器ストラディバリウスと出会いバイオリン作りにとりつかれ、今やプロ演奏家に好まれるほどになった。リンゴとバイオリン作りにこめる想いを記録した。

 

【image】 『大人の幼稚園』
制作:国立民族学博物館
撮影・監督:大森康宏
[1987年、16mm、30分、カラー]
ペンション「ピノキオ」の主人は、夏の間長野県をはじめ、遠くは関東関西から子どもたちを集めて幼稚園を開いた。それは大人たちの幼稚園でもあった。その主人公の生きざまを記録した。

 

【image】 『消えた氷屋』
制作:国立民族学博物館
撮影・監督:大森康宏
[1984年、16mm、26分、カラー]
日本人の日常生活のなかからその民族性をとらえるために、消えゆく職業、氷屋の人生を記録したもの。独自の商売方法で生き残った、町の最後の氷屋の姿を描いている。だが1982年彼の死によってこの町からユニークな氷屋は消えた。

 

大森康宏(おおもり やすひろ)
大森 康宏
昭和18年東京都生まれ。立教大学経済学部卒。フランス、パリ大学大学院卒。民族学博士。民博助手をへて、現在同館教授。民族誌映画専攻。映画利用による民族学研究に従事。フランスの移動民族や狩猟、アフリカの鉄造り、バリ島の水牛車競争と葬送儀礼、そして日本の成人式や道祖神そして東北のイタコなど、現在までに37本の映画を制作。昭和60年「地中海に関する人類学映画祭」イタリアにてグランプリ受賞。平成6年「パルヌ国際人類学映画祭」エストニアにて映画賞、また平成7年フランス、「パリ第14回民族誌映画大会」にてグランプリ受賞。これらの業績によりフランス政府よりパルム・アカデミック勲章を受賞した。

撮影制作者よりひとこと
今回上映する作品は民族学と関係しないと忠告されたもの。しかし、異なる文化を持つ人々にとって、日本人の生きざまは、比較研究のテーマとして重要である。海外で注目された人間、ニッポンを見ていただき、日本人とは何かを考えてもらいたい。