みんぱく映画会
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1999年11月28日(日)
インド映画「ボンベイ」 -
特別展「越境する民族文化―いきかう人びと、まじわる文化」関連
- 1999年11月28日(日) 13:00~
- 解 説:杉本良男(先端人類科学研究部)
90年代インド映画最大の問題作
南インドの農村にすむヒンドゥー教徒の青年とイスラーム教徒の少女との禁断の愛と、2人が宗教暴動にまきこまれ、ほんろうされながら懸命に生き抜くすがたをとおして、ヒューマニズムとインド社会の統合を高らかにうたいあげた屈指の問題作。1993年にボンベイ(ムンバイー)でじっさいに起きた宗教暴動を背景にしたラブ・ロマンスを、新鮮な感覚でえがいた傑作である。
2人のロマンスは、美しい映像と、ラフマーンのビートのきいた甘美な音楽でいろどられる。そして、後半の緊迫した暴動シーンは、感動の結末へと続く。はたして2人の運命やいかに...。
監督のマニラトナム、音楽のA・R・ラフマーンともにインドの若い世代を代表する俊才で、世界的な注目を集めている。2人の協力で完成した本作は、インド全土で大ヒットするとともに、国外でも大きな話題となった作品である。