国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究公演

1998年10月10日(土)
草原の英雄たち―モンゴル英雄叙事詩の世界
特別展「大モンゴル展―草原の遊牧文明」関連

  • 1998年10月10日(土・祝)
  • 14:00~15:30(開場13:30)
  • 出演:アビルメド、バヤルマグナイ(モンゴル国)
    ロブサン、ジョーナイ(中国)
    ウラディミル・オコノビッチ・アルーエフ(ロシア・カルムイク共和国)
  • 解説:小長谷有紀(特別展実行委員長)
    藤井麻湖(民博非常勤研究員)

モンゴルの民族音楽芸能のなかでは、日本の追分に似たオルティン・ドー(長い歌)、ひとりで同時に二つの声を出すホーミーがよく知られています。モンゴル英雄叙事詩は、これらと平行して存在している伝統的な語り物のジャンルです。その内容のおおくは、一見したところたわいない怪物征伐や嫁取りにかかわるものですが、モンゴルの文学・歴史・芸術・民俗的資料として非常に貴重なものです。今日では伝承者も激減し、文化遺産としての価値が高まりつつあります。

このジャンルは、長らく民間における伝承に頼ってきたために芸能化が進んでいないことや、音楽的要素よりも言語的要素が高いなどの事情から、これまであまり紹介されませんでした。このたびの研究公演では、解説をまじえながら、ひと味違うモンゴル英雄叙事詩の語りの世界へご案内いたします。この語りに刻まれた独特の息づかいや時間感覚をお楽しみください。