国立民族学博物館では、企画展「未知なる大地　グリーンランドの自然と文化」を2014年9月4日（木）から11月18日（火）まで開催する運びとなりました。

本展では、当館所蔵品を中心に、高円宮コレクション、デンマーク王室コレクション、グリーンランド国立博物館・文書館、北海道立北方民族博物館などの所蔵品や映像・音響資料を用い、最新の研究成果をもとに、グリーンランドの自然、そこに住む人びと（イヌイット、自称カラーリット）の歴史と文化にせまります。

私たち日本人はグリーンランドの名前は知っているものの、自然や歴史、現状についてあまり知りません。本展示ではグリーンランドと文化について少しでも知る機会になり、関心を持っていただければ幸いです。

岸上伸啓
(プロジェクト・リーダ－)

グリーンランドは大西洋の北西部にある世界最大の島です。その面積は日本の約6倍もありますが、ほぼ80パーセントが厚い氷床で覆われています。現在の総人口約57,000人のうち約9割はイヌイット系の人びとであり、グリーンランド人(カラーリット)と自称しています。彼らはデンマーク王国に属していますが、同国政府と政治交渉の末、1979年に自治政府を創設しました。かつては狩猟や漁撈で生計をたてていましたが､現在では漁業や水産加工業を中心にさまざまな仕事についています。

9月4日、高円宮妃殿下をお迎えして、企画展「未知なる大地　グリーンランドの自然と文化」（主催：国立民族学博物館、読売新聞社）開幕式典を開催しました。

本展は、最新の研究成果をもとに、本館所蔵品を中心として、映像・音響資料によって、グリーンランドの自然、そこに住むイヌイットの人びとの歴史と文化にせまる展示です。

当日は、来賓として、ニック・ニエルセン（グリーンランド教育・教会・男女平等・文化大臣）、Ａ．カーステン・ダムスゴー（駐日デンマーク大使）、ダニエル・トアライフセン（グリーンランド国立博物館・文書館長）、鳥井信吾（在大阪デンマーク王国名誉領事）らが出席しました。

式典では、須藤健一（館長）の挨拶、高円宮妃殿下のお言葉、来賓挨拶に続いて、本展のプロジェクトリーダーである岸上伸啓（本館教授）から展示の趣旨と概要の説明がありました。

展示場では、招待者が、岸上教授の説明を受けながら、日本初公開となる高円宮コレクションやデンマーク王室コレクション、植村直己氏が収集したイヌイットの伝統的な防寒着などを興味深そうに見て回りました。

企画展開幕のテープカットをされる高円宮妃殿下（中央）ら