国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

第33回新着資料展示「現代アジアの文字─中西亮コレクションから」

第33回新着資料展示
現代アジアの文字
─ 中西 亮コレクションから ─
開催期間:1995年9月28日~1996年2月27日


 文字は、人類が発明したもっとも知的な文化遺産の一つです。その歴史は、ふるく中国、エジプト、バビロニアで文字がすでに誕生していました。
 人類は、文字という媒体(ばいたい)によって音声による「ことば」を固定し、遠隔地につたえ、後世にのこす方法を識りました。文字のもつ深遠な機能と魅力は、これらの地域において、文字はカミからさずかったとみなす伝説にもあらわれています。また、文字は周辺の民族の間にも普及し、共通の文字文化圏を出現させました。
 そのため、文字の起源は少数の源にたどることができ、文字と言語の系統とはことなるのが普通です。しかし、すべての民族言語が文字をもつわけではなく、過去も現在も、世界にはむしろ無文字社会のほうが多いこともしらなければなりません。

 ここに、本館に寄贈された、中西亮氏の生前、世界各地で収集された文字資料のなかから、アジアを中心にさまざまな文字とその使用を紹介し、文字をつうじて多彩なアジアの一面にふれる機会となればと思います。

[会 場]国立民族学博物館 新着資料展示コーナー
[担 当]崎山 理