国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

第42回新着資料展示「マンダラ-仏たちの住む空間」

マンダラの仏たち


 マンダラに登場する仏や神は、(1)仏、(2)菩薩、(3)女神、(4)護法神、(5)群小神の5つのグループに分けることができる。


 仏(ブッダ、仏陀)とは目覚めた人の意味で、シャカ族の太子に生まれ、出家して仏教の開祖となったゴータマ・シッダールタをさす。しかし、その後、仏(覚者)の意味が変化、拡大されて法そのものとしての仏(ほっしんぶつ、法身仏)、実在ではないが姿、仂きを有する仏(ほうじんぶつ、報身仏)、歴史上の仏(けしんぶつ、化身仏)などの仏が考えられた。一般に大日如来は第一の仏、阿弥陀如来は第二の仏、シャカ族のブッタは第三の仏である。如来とは真理よりあるがままに来た(悟った)者の意味で、仏と同じ者をさす。

 菩薩(ボーディ・サットヴァ)とは悟り(ボーディ)への勇気(サットヴァ)を持つ者と言う意味で、悟りを開くために修業中の者を指す。観自在(観音)、文珠、地蔵菩薩など、その種類は多い。


 女神のグループには柔和なターラーや恐ろしいヨーギニーが属する。日本仏教では女神の勢力は小さく、独立のグループとして考えられない。

 護法神は仏法の守り神であり、馬頭、不動などがいる。馬頭は後世、観音の一種となるが元来は観音とは無関係な神であった。

 群小神には、日月食を起こすラーフ、日、月、二十八宿などがいる。

 マンダラではこれらの仏、菩薩などが規則正しく並ぶのであるが、どの仏、菩薩が中心の神格となるかは、マンダラによって異なる。
 
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