国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

現地嫌いなフィールド言語学者、かく語りき。  2019年9月1日刊行

吉岡乾(著)

創元社

出版物情報

主題・内容

フィールド言語学者である著者による、(フィールド)言語学そのもの、調査をしている個別言語、当該地域(パキスタン北部とインド北西部)などの紹介をする、全編書き下ろしエッセイ集。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

多様性の大切さが説かれ始めている昨今の世の中、フィールドが嫌いなフィールド研究者が居てもいいじゃないか。そういう気持ちで心情を吐露しつつ、ついでに言語学や言語を紹介するスタイルだと、ご諒承下さい。

 

目次

遥かなる言葉の旅、遥かなる感覚の隔たり
表記と文字のこと
フィールド言語学は何をするか
インフォーマント探し
ブルシャスキー語 ~ 系統不明の凡庸なことば
PCOからスマホへ
物語が紐解くは
異教徒は静かに暮らしたい
ブルシャスキー語の父(笑)
ドマーキ語 ~ 諺も消えた
インドへ行って、引き籠もりを余儀なくされる 
好まれる「研究」と、じれったい研究
バックパッカーと研究者
コワール語 ~ 名詞は簡単で動詞は複雑?
文字のないことば
カラーシャ語 ~ アバヨー! 舌の疲れることば
フンザ人からパキスタン人へ
言語系統と言語領域
カティ語 ~ 挨拶あれこれ
なくなりそうなことば
ドマー語、最後の話者
動物と暮らす
シナー語 ~ 街での調査は難しい
出禁村
ジプシー民話
カシミーリー語 ~ 変り種の大言語
500ルピーばあさん
ウルドゥー語
インフォーマントの死
「はじめに」