館員の刊行物
- 解放しない人びと、解放されない人びと――奴隷廃止の世界史―― 2020年10月30日刊行
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鈴木英明(著)
東京大学出版会
出版物情報
- 出版社:東京大学出版会 出版社ホームページはこちら
- 定価:2,900円(税抜)
- ISBN:978-4-13-025172-3
- 判型:四六版
- 頁数:320頁
主題・内容
人類史に長く存在した奴隷に対して、廃止の動きがなぜ、18世紀の後半から世界的に急速に動き出したのか。イギリス、アメリカ、タイ、そして日本などを比較し、グローバルヒストリーとして奴隷制、その廃止をめぐる動きをとらえ、現代において解決すべき課題に迫る。
目次
序 章 奴隷廃止という世界史的共通体験1 奴隷制と私たち
2 世界史的共通体験としての奴隷廃止――本書の目的
3 本書の方法論第1章 新大陸と啓蒙の時代1 大西洋奴隷貿易
2 新大陸におけるアフリカ黒人を用いた奴隷制の展開
3 アフリカ黒人が奴隷化される正当性
4 啓蒙思想
5 奴隷交易とサハラ以南アフリカとグローバル・ヒストリー第2章 環大西洋奴隷廃止ネットワーク1 クエイカーたち
2 奴隷交易廃止協会
3 現実感と伴った想像力
4 革命の時代へ第3章 大いなる矛盾――19世紀前半の大西洋とインド洋西海域1 奴隷交易廃止から奴隷制廃止までの長い道のり
2 インド洋西海域
3 想像と現実との距離第4章 グローバル/ローカルなポリティクスとしての奴隷廃止――あるいは手段化する奴隷廃止1 合衆国の維持と奴隷廃止
2 輝かしい近代化へのひとコマとして,国民誕生の助走としての奴隷廃止
――ラッタナーコーシン朝の場合
3 内なる奴隷の「発見」
――芸娼妓解放令と東アジアにおける奴隷概念の伝播
4 廃止される奴隷制,廃止されない奴隷制――国際社会のなかで第5章 解放しない人びと,解放されない人びと,新たに加わる人びと1 奴隷たちの去就
2 労働力の争奪戦
3 年季契約労働制
4 年季契約労働制の廃止――再び自己と他者をめぐって終 章 奴隷廃止は人類に何をもたらしたのだろうか?1 本書の論点
2 世界史的共通体験の行く道