自然との共生(1) ─ 災害文化 ─
「自然との共生」という言葉から二つの営みが連想される。自然からの恵みを享受しつつ、その資源を守り育てる環境保護と、自然界の破壊的なエネルギーの発生から暮らしを守っていく防災である。
自然界のエネルギーを押さえ込むことは今の科学を持ってしても不可能である。ならば、その外力の発生を予想しうるかというと、ここにも限界がある。
台風や竜巻さらには洪水などに毎年のように襲われる地域では、経験の蓄積からこうした災害と共存する術をもっている社会がある。災害ではなく、自然の摂理と考えている場合すらある。つまり、災害文化が存在する。
今、地震や津波などの突発災害や温暖化のような気象変動に対して、対応できる災害文化を創っていくことが防災の課題と言えよう。
国立民族学博物館 林 勲男
自然界のエネルギーを押さえ込むことは今の科学を持ってしても不可能である。ならば、その外力の発生を予想しうるかというと、ここにも限界がある。
台風や竜巻さらには洪水などに毎年のように襲われる地域では、経験の蓄積からこうした災害と共存する術をもっている社会がある。災害ではなく、自然の摂理と考えている場合すらある。つまり、災害文化が存在する。
今、地震や津波などの突発災害や温暖化のような気象変動に対して、対応できる災害文化を創っていくことが防災の課題と言えよう。
国立民族学博物館 林 勲男
毎日新聞夕刊(2005年4月13日)に掲載