海と人(2) ─海を越えるお宝─
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海は島と島を結ぶ重要な存在だ。資源の貧弱なサンゴ島で暮らす人にとって、他の島とのつながりをもてるかどうかは死活問題だった。 三角の帆に風を受け、再び生きて帰れるかどうかもわからない海へ乗り出す。海図もなく、星や潮の流れを頼りにする航海術がオセアニアで発達し、脈々と受け継がれたのもうなずける。
島での生存を続けるため、食糧や希少品、時には嫁も手に入れて戻る。もちろんただでは手に入らない。女たちが織った腰巻用織物やココヤシ製ロープ、貝ビーズなどのお宝を交換用に持参する。火山島からは、土器や儀礼に際して体に塗るウコン染料など、サンゴ島では手に入らない貴重な品々や、災害にあった時に植え付ける苗木も手に入れる。海はまさに、お宝が行き来する場でもあった。
国立民族学博物館 印東道子
島での生存を続けるため、食糧や希少品、時には嫁も手に入れて戻る。もちろんただでは手に入らない。女たちが織った腰巻用織物やココヤシ製ロープ、貝ビーズなどのお宝を交換用に持参する。火山島からは、土器や儀礼に際して体に塗るウコン染料など、サンゴ島では手に入らない貴重な品々や、災害にあった時に植え付ける苗木も手に入れる。海はまさに、お宝が行き来する場でもあった。
国立民族学博物館 印東道子
毎日新聞夕刊(2007年6月13日)に掲載