インドは今、都市生活が全体におしゃれになり、女性のファッションもドラスチックに変わっていることが日本でもようやく知られるようになった。大都市のモダンな巨大ショッピング・モールの書店などをのぞけば、そこには華やかな女性向けのファッション誌がはんらんしている。

インド女性のファッションといえばサリーと答えが返ってきた時代は既に過去の物になろうとしている。それだけでなく、最近目立つのは男性用の雑誌だ。いかがわしい物と決めつけるのは下司（げす）の勘ぐりで、最近ちまたにはやるのはおしゃれなファッション誌。国民服に代表される地味な男性ファッションも様変わりし、グローバル化や経済成長の進展と共に、インドにもおしゃれに目ざめる男性がふえてきたのである。

国立民族学博物館　杉本良男