色(1) ─ 愛馬の名はパンティー
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もう20年ほど前、ペルー・アンデスで調査をしていたとき、馬を買ったことがある。自分が乗るためではなく、荷物輸送のためである。その馬の名はパンティーという。
この話を帰国して若い女性たちに話したところ、ひんしゅくをかってしまった。「そんな趣味があったんですか」と聞く人もいた。一瞬、質問の意味がわからなかったが、パンティーを下着と考えていることがわかり、苦笑してしまった。
パンティーは、アンデスの高原に自生し、うすいピンクの花をつけるコスモスのことだからである。この花の色が馬の毛色に似ているために花の名が馬の名になったわけだが、自然とともに生きるアンデス高原の人たちだからこそのネーミングに感心したものである。
国立民族学博物館 山本紀夫
この話を帰国して若い女性たちに話したところ、ひんしゅくをかってしまった。「そんな趣味があったんですか」と聞く人もいた。一瞬、質問の意味がわからなかったが、パンティーを下着と考えていることがわかり、苦笑してしまった。
パンティーは、アンデスの高原に自生し、うすいピンクの花をつけるコスモスのことだからである。この花の色が馬の毛色に似ているために花の名が馬の名になったわけだが、自然とともに生きるアンデス高原の人たちだからこそのネーミングに感心したものである。
国立民族学博物館 山本紀夫
毎日新聞夕刊(2006年10月4日)に掲載