色(6) ─ ビーズの色で愛のメッセージ ─
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最近、日本の女性の間でビーズブームが起きている。直径2ミリのビーズから1センチのトンボ玉まで、白や赤、緑や青までカラフルな色が装飾品として好まれている。ところが、世界的にみるとビーズは単なる装飾品ではなく、ある種のメッセージを伝達し、富の象徴や社会的威信を示すことさえある。
かつての南アフリカのズールー社会では文字を持たず、ビーズ細工の色の配列で地域集団の違いを示したり、女性から男性への求愛のメッセージに使っていた。ピンクは「貧しくてもあたなを愛する」、黄色は「砂糖のように少年を愛する」、赤色は「結婚の準備ができている」を意味したという。
現在、ビーズ細工のラブレターはみやげものになったとはいえ、ビーズの色には人びとの知恵や歴史が反映している。
国立民族学博物館 池谷和信
かつての南アフリカのズールー社会では文字を持たず、ビーズ細工の色の配列で地域集団の違いを示したり、女性から男性への求愛のメッセージに使っていた。ピンクは「貧しくてもあたなを愛する」、黄色は「砂糖のように少年を愛する」、赤色は「結婚の準備ができている」を意味したという。
現在、ビーズ細工のラブレターはみやげものになったとはいえ、ビーズの色には人びとの知恵や歴史が反映している。
国立民族学博物館 池谷和信
毎日新聞夕刊(2006年11月8日)に掲載