もてなしのかたち(5) ─ 最高のもてなしはテンジクネズミの姿焼き ─
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アンデスにクイと呼ばれる家畜がいる。その名前は「クーイッ」と鳴くことに由来しているらしい。テンジクネズミの一種で、アンデス高地では大体どこの家でも10~20匹くらい屋内で飼っていて、しばしば土間を駆け回っている。
このクイこそが、アンデス高地での先住民の最高のごちそうである。そのため、祭りのときなどもクイの肉は欠かせないし、客人をもてなすときの最高のごちそうでもある。ただし、毛はむしってあるものの、その姿のまま焼いてあるし、顔もネズミに似ているので、初めて見た人はギョッとするかもしれない。しかし、味は素晴らしく、このクイの姿焼きがいつまでも食卓にのぼらないとき、客人はあまり歓迎されていないと思った方がよいかもしれない。
国立民族学博物館 山本紀夫
このクイこそが、アンデス高地での先住民の最高のごちそうである。そのため、祭りのときなどもクイの肉は欠かせないし、客人をもてなすときの最高のごちそうでもある。ただし、毛はむしってあるものの、その姿のまま焼いてあるし、顔もネズミに似ているので、初めて見た人はギョッとするかもしれない。しかし、味は素晴らしく、このクイの姿焼きがいつまでも食卓にのぼらないとき、客人はあまり歓迎されていないと思った方がよいかもしれない。
国立民族学博物館 山本紀夫
毎日新聞夕刊(2007年1月10日)に掲載