旅・いろいろ地球人
涼を飲む
- (6)混合飲料 2009年9月9日刊行
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野林厚志(研究戦略センター准教授)
夜市のにぎわい夏の台湾調査の楽しみの一つが夜市でいただく搾りたての生ジュース。最近は日本でも駅でよく見かけるようになったが、なんといっても台湾はお得感たっぷりな標準500mlの大容器。その場で果物をミキサーにかけ、果汁を容器にいれてビニールパッキング。先の尖(とが)ったストローを差し込んで飲むスタイルは、歩きながらでもこぼれない知恵ものなのである。
そんな夜市飲料の代表格は、パパイヤと牛乳をブレンドした「木瓜牛奶」(パパイヤミルク)。考えてみると、台湾はいろいろなものを混ぜて飲むことにあまり抵抗がない。「珍殊奶茶」(タピオカ入りミルクティー)はもはや定番だし、最近は「百香QQ緑」というパッションフルーツのジュースと種、こんにゃく、緑茶を混ぜたものが人気である。
フィールド調査者の勘にすぎないが、混ぜる理由の一つに甘みへの嗜好(しこう)があると思う。ペットボトルの緑茶や烏龍(ウーロン)茶の大半は砂糖入り。 「米酒」という強い蒸留酒を缶コーヒーと混ぜることがあるし、滋養強壮をうたうカフェイン入りアルコール飲料も強烈に甘い。
混ぜあわせて甘くしてしまい、うまくやる。台湾社会の調整術を見ているような気になるのは考えすぎか。シリーズの他のコラムを読む
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