旅・いろいろ地球人
パリの現代建築
- (3)ガラスのピラミッド 2017年1月26日刊行
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園田直子(国立民族学博物館教授)
ルーヴル美術館のガラスのピラミッド= パリ1区で、2016年9月、筆者撮影ルーヴル美術館を訪れると、まずガラスのピラミッドが目に入る。フランス革命200周年にあたる1989年、ときの大統領フランソワ・ミッテランの「大ルーヴル」計画の一環でつくられたガラスのピラミッドは、以降、美術館のメイン・エントランスになっている。
中国系アメリカ人のイオ・ミン・ペイは、菱形や三角形のガラスと、金属の枠を組み合わせ、底辺35メートル、高さ20メートルを超す巨大な構造物を生みだした。しかし、ガラス越しに石造りのルーヴル宮殿が見とおせるので圧迫感はない。
ガラスのピラミッドも建設当初は、モンパルナスタワーやポンピドゥー・センターと同様、斬新すぎるがゆえに賛否両論があった。ところが21世紀の今では、ルーヴル美術館で見たいものベスト3に、モナリザ、ミロのビーナスに次いで選ばれている。
ガラスのピラミッドは、実はこれだけではない。メイン・エントランスの周りを、小型のピラミッドが三つ取り囲んでいる。そして、ピラミッド下の通路を奥に進むと、先端を床に向けた、逆さまのピラミッドがあらわれる。
ルーヴル美術館はそのコレクションも素晴らしいが、建物自体が12世紀から今日までの建築史をあらわしている。
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