旅・いろいろ地球人
バザールの風景
- (2)ドライフルーツ 2018年6月16日刊行
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寺村裕史(国立民族学博物館准教授)
山積みのドライフルーツや、クルミなどのナッツ類=2014年9月、ウズベキスタン・サマルカンドで筆者撮影
中央アジアはステップ地帯特有の乾燥した気候で、水はけがよく日当たりを好むブドウなどの果物が豊富である。それらを生で食べる場合ももちろんあるが、保存性を高めるため乾燥させてドライフルーツにすることも多い。
バザールに行けば、そういったブドウ、アンズなどのドライフルーツや、アーモンド、クルミといったナッツ類が所狭しと並べられている。
筆者が毎年9月ごろの調査でウズベキスタンのサマルカンドを訪れるたびに、ドライフルーツを買いに行く店が市中心部のバザールにある。店といっても壁で囲われた個別の店舗ではなく、商品を並べる長い棚(台)に数メートルおきに数字を割り振って店の範囲を区画しているだけで、隣の店舗との境は不明瞭である。
ただ、商人ごとにおおよその出店場所は決まっているようで、先述のドライフルーツの店は、筆者が何曜日に行っても、また翌年に再度訪れても、同じ場所に同じ男性(店主)が店を構えていて、いつの間にか馴染みの店になってしまった。
こうした売り方は、常設店舗と定期市の中間のような形態といえるかもしれないが、店に鍵をかけて閉めることができないため、毎朝品物を並べ、毎夕片付けるという作業が必要で、想像以上に大変そうだ。
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