旅・いろいろ地球人
ドイツの保育園
- (3)学童保育 2019年1月19日刊行
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森明子(国立民族学博物館教授)
「子どもバー」という名のカフェをもつ保育園。かつて学童保育も行っていた=ベルリンで2011年9月、筆者撮影
ドイツでは、初等学校の授業は午前中で終わる。親が日中働いている場合、子どもを見る人がどうしても必要になる。
ベルリンでは小規模な学童保育が数多く存在し、それぞれ特色ある活動を展開してきた。保育士はしばしば子どものよき理解者であり、相談相手になった。外国人労働者の子どもたちを助けて、重要な役割を果たしてきた学童保育も少なくない。また、幼児から学童までを連続的に見る保育園もあった。年齢差のある子どもたちのあいだに、親しい人間関係が育まれた。
しかし21世紀初頭、ベルリン州は小規模学童保育を閉鎖し、すべての学童保育を初等学校におくことを決定した。以前からあった初等学校の学童保育を制度化し、充実させる政策であるが、そこではどのような保育をめざしているのだろう。
初等学校では、保育の空間・人数・設備は、より広く、より多く、より充実する。スポーツ・音楽・アートを含むさまざまな分野の専門講師によるプログラムが提供される。その一方で、一人の保育士が担当する子どもの数は増え、きめ細かな心遣いや親しさという面では後退せざるをえない。
21世紀の学童保育は、ケアの場から教育の場へシフトしているようだ。
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