みんぱく映画会
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2016年6月12日(日)
新展示関連 映画で知る中央・北アジア「デルス・ウザーラ」 -
中央・北アジアを駆けめぐる―夏のみんぱくフォーラム2016 関連
チラシダウンロード[PDF:3.26MB]国立民族学博物館の中央・北アジアの新展示では、シベリアからモンゴルをへて中央アジアまで、多様性に富んだ暮らし、一生を彩る儀礼、シャマニズムやイスラーム、職人の技などを紹介します。新しい展示を広く知っていただくため、展示のテーマに関連した映画上映会を「映画で知る中央・北アジア」と題し、研究者の解説つきで開催いたします。多彩な中央・北アジアの歴史や文化を映像を通してご覧いただきたいと思います。
- 開催日:2016年6月12日(日)
- 場 所:国立民族学博物館 講堂
- 時 間:13:30開映(開場13:00)
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定 員:450名
※入場整理券を11:00から観覧券売場(本館2F)にて配布します。事前申込は不要です。 - 要展示観覧券(一般 420円)
- 主 催:国立民族学博物館
- 協 力:東京国立近代美術館フィルムセンター、福岡市総合図書館、アジアフォーカス・福岡国際映画祭、MOSFILM CINEMA CONCERN(Russia)、(株)アマゾンラテルナ、AITYSH FILM(Kyrgyzstan)、KAZAKHFILM(Kazakhstan)、STUDIO-D JAPAN,Inc.
中央・北アジアを駆けめぐる―夏のみんぱくフォーラム2016
みんぱく映画会 「映画で知る中央・北アジア」- 新展示プレイベント ※6月16日~新展示オープン
- デルス・ウザーラ Дерсу Узала
- 1975年/ソ連・日本合作/ロシア語/141分/日本語字幕付き
- 【開催日】6月12日(日)
- 【監督】黒澤明
- 【出演】ユーリー・ソローミン マクシム・ムンズク
- 【司会】藤本透子(国立民族学博物館助教)
- 【解説】佐々木史郎(国立のアイヌ文化博物館(仮称)設立準備室主幹)
- 20世紀初頭、ロシア極東沿海地方の地理測量と民族学調査に従事していたV・K・アルセニエフは、シホテ・アリニ山脈の山奥で一人の先住民に出会う。名をデルス・ウザーラといった。彼は疫病で家族をすべて失い、一人山中を放浪して狩りや漁で生活してきた。当初探検隊員たちとなかなかなじめなかったデルスだが、次第にアルセニエフの人柄に惹かれ、その調査に協力するようになり、親友となっていく。アルセニエフの調査はデルスの協力で順調に進んでいったが、デルスにはさらに過酷な運命がまっていた。手つかずの森の中で自然とともに生きる先住民族という定型化された観点で描かれた映画だが、その物語はあくまでも美しい。解説ではそこに描かれた虚実を解きほぐしていく。(佐々木史郎)
- モンゴル Монгол
- 2007年/ロシア・カザフスタン・モンゴル・ドイツ合作/モンゴル語・中国語 125分/日本語字幕付き
- 【開催日】6月25日(土)
- 【監督】セルゲイ・ボドロフ
- 【出演】浅野忠信 孫紅雷(スン・ホンレイ)
- 【司会】藤本透子(国立民族学博物館助教)
- 【解説】小長谷有紀(国立民族学博物館教授)
- 社会主義時代、チンギスハーンの賞賛が禁じられていたモンゴルでは、民主化まもない1992年、民族精神の表象としてチンギスハーンを描く映画が作られた。史実にない宮廷歌人が舌を抜かれてさまようという結末は、当時の社会的混乱を反映していた。2007年に公開された本作は、はるかに史実から離れており、完全に他者の視線で成立している。草原はカザフスタン、街は中国で撮影。ヒツジたちはヨーロッパ出自のメリノ種と交配した改良種。主役には日本人の浅野忠信が、準主役には中国人の孫紅雷が扮している。しかも、モンゴル語を学び、モンゴル語で演じていて、インターナショナルな映画に仕上がっている。「異文化誤解」もまた理解への一助としたい。(小長谷有紀)
- 山嶺(さんれい)の女王 クルマンジャン Курманжан Датка
- 2014年/キルギス(クルグズスタン)映画/キルギス(クルグズ)語/136分 日本語字幕付き
- 【開催日】7月9日(土)
- 【監督】サドゥック・シェル-ニヤズ
- 【出演】エリナ・アバイクズ ナズィラ・マムベトヴァ
- 【司会】藤本透子(国立民族学博物館助教)
- 【解説】吉田世津子(四国学院大学教授)
- 19世紀、峻厳な山並みが美しい中央アジア東南部で、遊牧民の家に生まれた少女は、紆余曲折をへて指導者の妻になるが──。ロシア帝国が中央アジアを次々と勢力下に治めていった時代に、一人の女性として苦悩しながらも政治手腕を発揮したクルマンジャン・ダトカ(1811−1907)の生涯を、壮大なスケールで描く。クルマンジャンは、キルギス(クルグズスタン)独立後、最初に発行された紙幣の肖像となり、教科書にも登場するなど著名な存在。この映画には、かつての暮らしがあざやかに再現されており、民族誌としての見どころも多い。新展示で公開する生活用品も、映画のなかに多数登場する。(藤本透子・吉田世津子)
- 日本初公開
- くるみの木 Жаңғақ тал
- 2015年/カザフスタン映画/カザフ語/81分/日本語字幕付き
- 【開催日】7月18日(月・祝)
- 【監督】エルラン・ヌルムハンベトフ
- 【出演】ルムテム・ジャヌアマノフ バルヌル・アスル
- 【司会】小長谷有紀(国立民族学博物館教授)
- 【解説】佐野伸寿(映画製作者)・藤本透子(国立民族学博物館助教)
- のどかな田舎の一軒の家に、人びとの暮らしを見つめ続けているかのようなくるみの大木がある。ある日、くるみを収穫している息子に母親は言う、「明日にも嫁を連れて来るんだよ、孫の顔を見てから死にたいものだ」。素直にうなずいた若い息子は、意中の相手をその日のうちに嫁入りさせようと友達たちを誘って出かけていく。結婚は家族ばかりでなく親戚中の一大事。叔父も結婚を成就させるべく奔走するが、なかなか一筋縄ではいかない。──カザフスタンの人びとの日常を、風刺のきいたコメディ・タッチで生き生きと描いた本作品は、釜山国際映画祭などで複数の賞を受賞。ユーモアあふれる温かな眼差しのなかに、社会への問いかけも秘められた佳作。(藤本透子)
国立民族学博物館 企画課 博物館事業係
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