国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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(2)ティザーヌを飲む  2011年2月9日刊行
園田直子(文化資源研究センター教授)

寝る前の一杯のティザーヌ=クロード・ラロック撮影
フランスの温かい飲物といえば、朝のカフェオレが知られている。こちらが元気になる飲物とすれば、くつろぎたいとき、寝る前のひとときに飲むのがティザーヌ、フランス版ハーブティーである。

ヴェルヴェーヌ(クマツヅラの葉)、カモミール(カミツレの花)、ティユール(シナノキの花)などがフランスらしいティザーヌといえようか。植物の種類により、消化剤、鎮痛剤、解熱剤としての役割、発汗、よく眠りにつけるなどの効用が期待できる。植物を数種、組み合わせることもある。

ティザーヌの作り方には、水から煮出す方法もあるが、多くはアンフュジョンとよばれる方法でつくられる。まず、器のなかに煎じる植物(花などの乾燥物)を入れ、沸騰した湯を注ぐ。蓋(ふた)をして5分から10分煎じる。蓋と茶漉し付きのティザーヌ用のカップを使うと、1人分でも気軽に楽しむことができる。

より簡単にという向きに、パリのスーパーには、ティーバックになった各種のティザーヌが並んでいる。日本でも輸入食料品の店で入手できるので、この冬はティザーヌを飲みながらゆっくり過ごしてみてはいかがだろうか。甘さが欲しいときは、ハチミツを加えるのがお勧め。
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