巻頭コラム
- 愛のインド映画 2005年11月18日刊行
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・Contents・
【1】愛のインド映画
【2】みんぱくゼミナール「トウモロコシの人類史」
【3】みんぱく映画会「オモニ(母)― 映画「ハルコ」を通じて」
【4】開催中企画展のご案内
【5】無料観覧日・休館日のお知らせ
【6】みんぱくミュージアムパートナーズ 新規会員募集
【7】公募情報「研究戦略センター 研究機関研究員の募集」
【8】英語版ホームページがリニューアル
【9】アスベスト対策について
☆編集後記――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【1】愛のインド映画
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――杉本良男(特別展実行委員長、先端人類科学研究部)いま特別展「インド サリーの世界」(12月6日まで開催)の関連企画として「インド映画祭」を行っています。すでに「モンスーン・ウェディング」(11月12日)と「時に喜び、時に悲しみ」(11月13日)が好評のうちに終了しました。
2001年に公開され、いずれも世界的に話題になった作品です。2つの作品をとおしてみると、グローバル化の時代のなかで、インドの中上流家族のもつさまざまな問題点がうきぼりになっています。とくに、家族、親族のあいだでさえおこっている多言語状況がひとつ注目されるでしょう。「モンスーン・ウェディング」では、パンジャービー語、ヒンディー語とともに、英語が多用されていますし、「時に喜び・・・」でも、家族の会話でも英語とヒンディー語が入り交じっています。
現実に、家族のなかでだれかがインド以外の、イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、などに住んでいるという例はすくなくありません。いわゆるNRI(Non-Resident Indians)などとよばれる海外在住のインド人が世界中にひろがって、インド社会、文化のグローバル化を支えています。そして、いずれの作品もトーンはちがっているものの、家族の愛、あるいは国家への愛を強調して終わります。ここに経済発展のいちじるしいインド社会がかかえる問題点が集約されているといっても過言ではありません。
11月23日からは、南インド、タミルナードゥ州出身で、いまや世界的に注目されているマニ・ラトナム監督の作品を3作ご紹介します。これも、夫婦の愛、家族の愛とともに、名もない家族が国家的なトラブルにまきこまれてしまうインドの状況をうまくからめて、娯楽作品としても、また社会派の作品としても楽しめるようになっています。「ロージャー」は、いま大地震で注目されているカシミール紛争、「ボンベイ」は、ヒンドゥー、ムスリムの対立、そして、「頬にキス」はスリランカの民族紛争をそれぞれ背景としています。
今回ご紹介する5つの作品のうち、「モンスーン・ウェディング」と「ボンベイ」は大阪でも一般公開されていますが、ほかの3作品は、大阪以外でもなかなかお目にかかることができにくい作品です。これ機会にぜひご覧いただいて、特別展ともども、インドの今を知るよすがにしていただければ幸いです。
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★「インド映画祭」
http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/fs/movies051123
11/23(水・祝) 13:30~16:30(開場13:00)
「ロージャー」(マニ・ラトナム監督,1992年)
11/26(土) 13:30~16:30(開場13:00)
「ボンベイ」(マニ・ラトナム監督,1995年)
11/27(日) 13:30~16:30(開場13:00)
「頬にキス」(マニ・ラトナム監督,2002年)会場:民博 講堂、定員450名
聴講無料(特別展および常設展をご覧になる方は、観覧料が必要です。)
お問い合わせ:広報企画室企画連携係 TEL 06-6876-2151**───────**────────**────────**───────**
*特別展「インド サリーの世界」関連イベント*http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/sari/index
★インド映画ミュージカルダンス
11/19(土)、20(日) 各日2回開催(場所:本館1Fエントランス)
(1)13:30-14:00 ワークショップ / 14:10-14:30 パフォーマンス
(2)15:30-16:00 ワークショップ / 16:10-16:30 パフォーマンス★体験コーナー
・サリー試着体験:期間中毎日(ただし、休館日は除く)
・メヘンディ体験:期間中の土・日曜日
(ただし、11/19-20は行いません。祝祭日も行いません。)
・コーラム体験:期間中の土・日曜日
(ただし、11/19-20は行いません。祝祭日も行いません。)★ミュージアムパートナーズ企画ワークショップ
・手作りブロックプリントによるポストカード作り
11/23(水・祝) 13:00-16:00
会場:国立民族学博物館 特別展示場内
お問い合わせ:情報企画課情報企画係 TEL 06-6876-2151――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【2】みんぱくゼミナール
「トウモロコシの人類史 ― 儀礼用から遺伝子組み換え作物へ」
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三大穀物のひとつトウモロコシ。かつてインカでは儀礼用の酒に加工され、今ではプラスチックの原料にもなっています。地域・時代により異なるトウモロコシの栽培・利用の仕方を紹介し、植物と人との関係史を考えます。
講師:阿部健一(地域研究企画交流センター助教授)
日時:11月19日(土)14時開演
場所:民博 講堂
参加方法:聴講無料。事前のお申し込みは不要です。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【3】みんぱく映画会「オモニ(母)― 映画「ハルコ」を通じて」
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波乱の人生を生き抜いてきた在日一世の母親の半生を、朝鮮総連のカメラマンである息子が40年間にわたって記録した映像作品である「ハルコ」を鑑賞後、朝倉教授を進行役として監督の野澤和之氏をお招きして、母親の愛、家族、について考えます。
日時:2005年12月11日(日)13:30~16:00
主催:国立民族学博物館
協力:フジテレビジョン
場所:民博 講堂
解説:野澤和之(映画監督)、朝倉敏夫(民族社会研究部教授)
上映作品:「HARUKO ハルコ」
参加要領:申し込み不要、参加無料。450名(先着順)――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【4】開催中企画展のご案内
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――★企画展「模型で世界旅行」
http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/model/index
★企画展「ポリネシア文化の誕生と成熟」
http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/polynesia/index
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【5】無料観覧日・休館日のお知らせ
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11月19日(土)、20日(日)は無料観覧日です。
毎週土曜日は、小・中・高校生は無料でご観覧いただけます。☆毎週水曜日を休館日としておりますが、11月23日(水)は祝日のため、開館しております。翌24日(木)を振り替えで休館日とさせていただきます。
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【6】みんぱくミュージアムパートナーズ 新規会員募集
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みんぱくミュージアムパートナーズ(MMP)、は博物館とのコラボレーションに基づき、自主的な企画運営を中心に活動している市民グループです。
このたび、来春から活動する新しい仲間を募集します。博物館で自分の企画を実施することのできる、やりがいのある活動をしてみませんか。詳細はホームページをご覧ください。応募期間は11月30日(水)まで。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【7】公募情報「研究戦略センター 研究機関研究員の募集」
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民族学/文化人類学に関する研究動向調査と研究戦略センターの業務に従事する研究機関研究員を1名募集します。民族学/文化人類学を専攻する方、あるいはそれ以外の人文社会系の分野を専攻しつつも、民族学/文化人類学の知識を持つ方が望ましいです。応募条件等ありますので詳細はホームページをご覧下さい。
応募期間は11月30日(水)まで。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【8】英語版ホームページがリニューアル
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11月1日にみんぱくホームページの英語版をリニューアルいたしました。
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【9】アスベスト対策について
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本館は、一般市民が見学される施設であると同時に、大学共同利用機関として大学の研究者等が利用する施設です。適切なアスベスト対策を行い、安全を確保することは重要と考えており、アスベスト対策の現況について、報告いたします。
《アスベストを含む材料が使われていることが判明した施設の状況》
・本館2階ビデオテークブース裏面
(クリソタイル3%を含む吹き付け耐火・断熱材)
・本館2階展示場床(クリソタイル2%を含む床材)(Pタイル)
(以上、専門業者による分析の結果、平成17年10月18日に明らかになりました。)
・本館1階玄関ホール天井(クリソタイル2.1%を含む吹き付け耐火・断熱材)
・第8展示場3・4階階段ホール壁・天井
(クリソタイル1.5%、アモサイト3.5%を含む吹き付け耐火・断熱材)
(以上、専門業者による分析の結果、平成17年11月8日に明らかになりました。)《アスベストの飛散度》
展示場を含め19個所で行った空気中のアスベスト濃度の測定結果は、1リットルあたり0.2~0.7本でした。大気汚染防止法の基準値(1リットルあたり10本)より大幅に下回り、人体への影響は考えられません。《現在の緊急措置状況》
安全確保の観点から、念のため、平成17年10月20日以降ビデオテークブースの使用を停止しました。本館1階玄関ホールについては、平成17年11月9日から11日に応急飛散防止措置を行いました。また、2階展示場床は、固形建材でありアスベストの飛散はありません。第8展示場3・4階階段ホール壁・天井は、すでに閉じ込め構造になっていますので、飛散の可能性はありません。以上の通り、常設展示場、特別展示場は、通常どおり観覧いただけます。
また、席数に限りはありますが、ビデオテ-クは多機能端末室でご利用できます。来館者の皆様には何かとご迷惑をおかけすることになりますが、事情をご理解いただきますようお願いいたします。――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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万博記念公園の紅葉も見頃の季節を少し過ぎたようです。一陣の冷たい風に落ち葉がさらわれていく姿に、もうそう遠くないところまで冬が近づいて来ていることを感じさせます。「インド サリーの世界」閉幕まであと3週間ほどとなりました。まだご覧になっていない方々、もう一度ご覧になりたい方々、木枯らしが吹くまえにどうぞお越しください。
林勲男
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