国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

伝統芸能最前線(1) ─ ベリーダンス ─

異文化を学ぶ


パリの郊外、テンポの良いアラブ音楽にのってパリジェンヌたちがベリーダンスのレッスンをうけている。70歳代のご婦人から小学生まで、年1回の発表会を明日にひかえてのラストスパートだ。先生は日本人だ。若いときに日本をとびだし、ベリーダンスの本場、エジプトのカイロでプロとして活躍した経験がある。

ベリーダンスを習う動機はさまざまだが、「ベリーダンスを踊ると体が自然に笑うから」「ベリーダンスを通じて自分を好きになることができるから」と説明してくれる人もいた。

アラブ世界の伝統舞踊だったベリーダンスは、今や世界中にひろがり、日本でも大流行している。アラビア語の歌詞にのって体を躍動させるベリーダンスは、新しい世界への入り口なのだ。

国立民族学博物館 西尾哲夫

毎日新聞夕刊(2006年2月1日)に掲載