みんぱっく アイヌ文化にであう2―樹皮からつくる着物
オヒョウの木からアットウシに使用する糸ができるまでの過程がわかるキットです。
① オヒョウの樹皮
高さ約20~25メートルになるニレ科の落葉高木で、北海道・東北の山地に自生しています。この樹皮は2010年6月に北海道旭川で採取されたものです。樹皮はオヒョウの木から、ナタで切り込みを入れ、手を使ってはぎとります。
② オヒョウの内皮
はぎとった樹皮から、外皮を除き、分離した内皮を木灰※で煮ます。U字にして、立木にくくりつけ、川の流れにまかせ、ぬめりを取ります。その後、薄い層になっているところを手でさいて天日で干します。 ※現在では苛性ソーダで煮る方法もあります。
③ 糸玉
②を水につけ、柔らかくしたものをさらに裂き、2~3ミリの幅にします。それを乾燥させ、繊維を撚って糸にします。この糸でアットウシを織り、着物に仕立てます。この糸玉は「へそ巻き」という伝統的な方法でまとめられています。
②について・・・古くは温泉や、真夏の温度の高い時期の沼に泥がつかないように小枝を敷き、その上に重しの石をくくりつけた内皮を漬けこんで発酵させ、ぬめりを融かしだしました。ぬめりはごしごし洗うのではなく、川の流れでなでて、やさしく振り洗いをします。
完全にぬめりを取るのではなく、少し残すと良い生地ができます。
『アイヌ生活文化再現マニュアル:織る【樹皮衣】』
『アイヌ文化の基礎知識』 p.76~97
『アイヌ民族:歴史と現在 小学生用』 p.8、9
『アイヌの人たちとともに』 p.22、23
『パイエアンロ』 p.8
『アコロイタク』
『アイヌ語で自然かんさつ図鑑』 p.32
『樹皮から糸ができるまで』