国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱっく アイヌ文化にであう2―樹皮からつくる着物

 
ぱっくの種類
アイヌ文化にであう2
クイズボード 『なにからできているのかな?』 ①~④
クイズボード 『なにからできているのかな?』 ①~④
北海道/日本

写真の靴や衣服はなに(どんな素材)からできているでしょう?考えてみてください。
これらの動物はアイヌの人々にとって、肉は食料、毛皮は衣服などの民具になりました。

こたえ:

① エゾシカ
北海道に生息するニホンジカで、本州以南のシカより大型です。シカはアイヌ語でユといいます。これは冬毛の毛皮です。冬毛は夏毛より太く、長くなっているため、保温性が高く、靴や服を作るのに適しています。冬に備えて脂肪を蓄えるため食用にも適しており、シカを獲るのは主に秋から冬にかけての季節でした。
② ヒグマ
日本では北海道と千島に生息しており、本州などのツキノワグマよりも大型です。アイヌ語では「キムンカムイ(山の神)」などと呼ばれ、動物の中でも特に尊敬されていました。毛皮は火打石などを入れるかばんや衣類を作る素材として、肉や胆のうは食べ物や薬として利用されました。しかし、ヒグマの狩猟はふだんの生活のためではなく、信仰の対象や交易品として重視されていました。
③ ゴマフアザラシ
北海道に生息するアザラシの一種です。流氷上で出産するため、オホーツク海岸域で冬によく見られます。アザラシはアイヌ語で「ト」などと呼ばれ、後から北海道に入ってきた人たちの間でも「トッカリ」という言葉で、今も使われています。ゴマフアザラシの毛皮は、特にサハリンやオホーツク海側の地域で、服や靴などに使われました。肉や脂も利用されました。
④ サケ
シロザケはアイヌ語で「カムイチェ(神の魚)」といいます。また、「シペ(本当の食べ物)」とも呼ばれ、身は食用、皮は靴などに利用し、捨てる部分がなく大切にされてきました。川をのぼってきたサケは海にいるときよりも脂肪が落ちて、色も変わっています。

参照資料

『アイヌ生活文化再現マニュアル:縫う【チェ・ユ・トッカリケ】』
『アイヌ文化の基礎知識』 p.54~73、76~80、100~116、138~169
『アイヌ民族:歴史と現在 小学生用』 p.8~11、14~15、42~43
『アイヌ民族:歴史と現在 中学生用』 p.20、32
『アコイタ
『アイヌの人たちとともに』 p.14~15、18~23
『アイヌ料理入門』
『アイヌ語で自然かんさつ図鑑』 p.59、61

モノ情報カード

クイズボード 『なにからできているのかな?』 ①~④

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