みんぱっく モンゴル―草原のかおりをたのしむ
絹布<ハダク>
ウランバートル/モンゴル
ハダクは大切な相手に贈り物をするときや、女性の父親に結婚の許可をもとめにいくとき、新年の挨拶のときなどに使われます。ハダクを前に伸ばして開いた両腕の上にかけ、真ん中をたるませるようにして贈り物と一緒に相手に手渡されます。相手に対する敬意の表象であるとともに、天の神にささげる祈りのこもったものでもあります。天地神を祀るオボーと呼ばれる石塚やモンゴル人が神聖視する岩や木、石像などにもハダクが結び付けられています。モンゴルを走るほとんどすべての車のミラーにも、このハダクが巻き付けられています。
([参考文献]鯉渕信一 1992『騎馬民族の心─モンゴルの草原から』日本放送出版協会)
参照資料
『暮らしがわかるアジア読本—モンゴル』 p.52、55、223
『草原の遊牧文明』 p.66
『季刊民族学』 No.85 p.62
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絹布