みんぱくのオタカラ
- 装置展示「オーストロネシアのことば 聞きくらべ:似てるかな?違うかな?」 2011年9月22日刊行
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菊澤律子
オセアニア展示場に新しく登場した、ことばの展示装置である。仕組みは極めて単純で、画面に表示された5つの単語のうちのひとつを選ぶと、オセアニアの13の言語でその単語を順に発音してくれる、というもの。系統の同じ言語がどれくらい似ているのか、違うのか、などと、学問的な説明はいろいろあるのだが、なにはともあれ、普段は名前もきかない珍しい言語にふれて楽しんでほしい。能書きは、それからだ。
実はこの装置、2007年春の特別展「Vaka Moana: オセアニア大航海展」でのパネル展示を発展させたもの。当時いただいた、「発音も聞くことができれば」という意見を、ようやくとりいれ実現することができた。
装置の展示では、応用性と汎用性、すなわち、次の展示でよりよいものに発展させ得る素地があるかどうかが大事だ。過去の展示から派生し、言語の展示法の可能性として言語学者の間で静かな注目を集めているこの装置は、民博ですでにしっかり、独自の場所を占めている。
菊澤律子(民族文化研究部准教授)
◆今月の「オタカラ」
オセアニア展示オーストロネシアのことば展示装置
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