国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究公演

2010年7月11日(日)
侵蝕するガムラン
新展示フォーラム「音の力―夏のみんぱくフォーラム2010」関連

インドネシア・ジャワ島中部のガムランをメディアとして、多様な活動を展開しているマルガサリの演奏により、ガムランの伝統曲、現代作品、そして障がいを個性としていかすたんぽぽの家アートセンターHANA(奈良市)のアーティストとのコラボレーション作品をご紹介します。ゴングの深い響きを核とした合奏音楽であるガムランは、異なる感性をもつ人々を包摂し、響き合わせる力をもっています。ガムランを媒介として異なる感性がぶつかり、侵蝕しながら、新たな響きが生み出されるスリリングなパフォーマンスをお楽しみください。

  • 日時:2010年7月11日(日) 13:30~16:00(開場13:15)
  • 場所:国立民族学博物館 特別展示館
  • 事前申込:不要
  • 参加料:無料(ただし、本館展示をご覧になる方は別途観覧料が必要です。)
  • 主催:国立民族学博物館
  • チラシダウンロード[PDF:5.3MB]
お問い合わせ
〒565-8511 吹田市千里万博公園10番1号
国立民族学博物館 広報企画室企画連携係
TEL : 06-6878-8210(平日9:00~17:00)

プログラム

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第1部
マルガサリとたんぽぽの家アーティストによる、コラボレーション作品。ガムランの響きが私たちの感覚を、私たちの身体がガムランを侵蝕する。

第2部
ジャワ古典音楽 グンディン・ロンドン・アリッ
デヴィッド・コットロゥイ作曲 “For Gender”(2008年)
ジャワ舞踊 スカル・プディヤストゥティ(舞踊 ウィヤンタリ)
マルガサリ・オリジナルパフォーマンス  “Sanzui”(監修 佐久間新)

 

出演者

Marga Sari(マルガサリ)
家高洋、ウィヤンタリ、御中虫、河上春香、佐久間新、田淵ひかり、西田有里、中川真、西真奈美、本間直樹

ゲストダンサー:Yangjah

ジャワの古典音楽とともに、先鋭的な現代作品にも取り組むガムラン合奏団。1998年に大阪を拠点として創設。野村誠、三輪眞弘、ヴィンセント・マクダモット(米)、デヴィッド・コットロウイ(オーストラリア)、アスモロ(インドネシア)、スボウォ(同)らがマルガサリに新作を寄せる。障がいのある人々との共同作品『さあ、トーマス!』を大阪、東京など日本各地で上演。野村誠との共同制作『桃太郎』が2008年にインドネシアで公演され、好評を博す。これまで海外から2回招聘される。メンバーは15名、代表は中川 真。音楽顧問はシスワディ、野村誠。

 

たんぽぽの家アートセンターHANA所属アーティスト
奥谷晴美、長田恵、木村昭江、中本吉彦、下津圭太郎

すべての人がアートを通じて自由に自分を表現したり、互いの感性を交感することができる、地域に開かれた場。障がいのある人が個性をいかしながら造形活動やパフォーミングアーツに取組むスタジオ、今を生きる人たちの表現を紹介するギャラリー、コミュニケーションの場としてのカフェ&ショップ、アートの可能性についてさまざまな議論と探求を行うためのインフォメーションセンターやミーティングルームがある。所在地は奈良市六条西。

 

解説

中川真
マルガサリ代表、大阪市立大学教授

岡部太郎
財団法人たんぽぽの家
「アート」と「ケア」の視点から、非営利の事業を実施している市民団体。人々の創造的な関係性を創出し、多様な価値観や文化を包摂した社会づくりを提案している。障がいのある人々とともにアートと社会の新しい関係をつくる「ABLE ART MOVEMENT(可能性の芸術運動)」を提唱し、市民の文化力を高める運動を広げながら、国内外の団体と協働してネットワーキング型の文化運動を展開したり、学会(日本ボランティア学会、アートミーツケア学会)の事務局運営を担うなど、より公共性の高いしごとに取り組み、市民社会/市民文化の発展に貢献している。

司会・解説

福岡正太(ふくおか しょうた)
国立民族学博物館准教授