みんぱく世界の旅
- イギリスのムスリム(1) 『毎日小学生新聞』掲載 2016年9月24日刊行
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相島葉月(国立民族学博物館准教授)
「Happy British Muslims」~幸せなイギリス人ムスリムたち~
イギリスは日本と同じ島国ですが、歴史的に多くの移民労働者や海外留学生を受け入れてきたことから、いろいろな人種や文化、宗教が共存する多文化社会です。首都ロンドンやマンチェスターなどでバスに乗ると、数多くの言語が聞こえてきます。イギリスの多文化社会を紹介するにあたり、イギリスに暮らすムスリム(イスラーム教徒)を4回に分けて書いていきます。
ムスリムと言ってもいろいろな人がいます。ムハンマドを預言者と信じ、礼拝や断食などを行っているとはいえ、人ですから。アジア、アフリカから移民した生まれつきムスリムの人もいれば、改宗した人もいます。イギリスにおけるムスリムの割合は総人口の5%程度ですが、イスラームをかたったテロが世界中で起こっているため注目を集めています。
ビデオ「Happy British Muslims」(幸せなイギリス人ムスリムたち)=いずれもThe Honesty Policu制作/YouTubeより「ムスリム」と聞いて一般的なイギリス人が思いつくのが、怒るヒゲオヤジ。「ムスリムはいつも怒っている訳ではない」という意味をこめて、2014年に「Happy British Muslims」(幸せなイギリス人ムスリムたち)と題したビデオが動画サイト「ユーチューブ」にアップロードされ、大きな反響をよびました。ファレル・ウィリアムスが歌う「ハッピー」のパロディ版で、「僕は幸せだから」というフレーズにのせて年齢、人種、性別を問わず様々なムスリムが笑顔で踊るとても楽しい作品です。「イギリスのどこにでもムスリムはいて、私たちは普通のイギリス人なのだ」というメッセージが伝わってきます。
一口メモ
今年5月にロンドン市長となったサディク・カーンさんはムスリムです。パキスタンから移民した両親のもと、ロンドンに生まれました。
シリーズの他のコラムを読む
- イギリスのムスリム(1)
- イギリスのムスリム(2)
- イギリスのムスリム(3)
- イギリスのムスリム(4)