国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

触常者として生きる――琵琶を持たない琵琶法師の旅  2020年1月31日刊行

広瀬浩二郎(著)

伏流社
【科研プロジェクト成果】

出版物情報

主題・内容

「障害者/健常者」という二分法に対して「触常者/見常者」という新たな人間観を提案する。触常者の立場から取り組んできた歴史研究、ユニバーサル・ミュージアムの実践について具体例に即してわかりやすく解説する。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

①触る表紙のイラストがかわいい(おもて表紙と、うら表紙の触図を比較すると様々な気付きがある。)
②2020年オリパラの開催で関心が高まる「障害」に関して、既存の価値観・世界観とは異なる角度から学び考えることができる。
③2020年秋(9月~12月)みんぱくの特別展・企画展実施にむけて、日本に於けるユニバーサル・ミュージアムの現状と課題を知ることができる。
④琵琶法師や瞽女(盲目の女性旅芸人)の文化や歴史について、最新の人類学的研究の成果に基づく新たな知見を得ることができる。

目次

序章_「野生の勘」と「未開の知」
第Ⅰ部_人類学 ―「目に見えない世界」のフィールドワーク ―
第一章 : 無文字文化の沃野を歩く ― 東海大学での講演会(2018年12月)から ―
第二章 : 文化相対主義に基づく障害研究の可能性
第三章 : 五感で味わう、五感を味わう
第Ⅱ部_博物館 ― 触文化研究の現場 ―
第四章 : 多様な「from」を育む博物館 ― 日本ミュージアム・マネージメント学会大会での基調講演(2017年6月)―
第五章 : 国立民族学博物館からの発信
第六章 : 偏差知からの脱却 ― 知的障害者との協働の意義 ―
第七章 : さまざまなる美術鑑賞
第Ⅲ部_射真集「我が半年」 ― 2018年7月~12月『日本経済新聞』連載コラムから ―
終章_盲人と海