民族学者の仕事場:Vol.4 近藤雅樹―(参考資料)さまざまな画法
(参考資料)さまざまな画法
画法幾何学を応用した製図方法には、正投影画法・斜投影画法・透視画法の三態があります。正投影画法はさらに正視画法・等角画法・不等角画法にわけられます。これらの画法が成立する原理は、レーザー光線のように点光源から発せられる線状光線と平面スクリーン、そして両者の中間に配置される被写体(描画対象)の対応関係によって説明されます。ここでは、理解しやすいように被写体を立方体としておきましょう。
正投影画法による図は「平行光線」といって、光線がつねにスクリーンに対して直角にあたるように光源を平行移動させながら被写体を照らしたときに、スクリーンに投影されるシルエットを写しとることによって得られます。
立方体をスクリーンに対して平行にセットする正視画法では、投影された図形にひずみがない正方形となり、各辺が立方体の寸法と等しく表現されます。ただし、立方体の一面しか表現できません。これに対して立方体を傾けてセットする等角画法と不等角画法では、立方体の三面を表現することができます。このとき、立方体の頂点を光源に向けて、稜線の角度が120度になるように配置するのが等角画法です。そのシルエットは円に内接する正六角形となり、すべての稜線の長さと各面の面積は等しく表現されます。不等角画法では、任意の角度を与えることができますが、そうすると、各稜線の長さも各面の面積も等しくなりません。ただ、一面だけを大きく投影できるので、三面すべてを示しながら主要な一面だけを強調する必要がある表現に適しています。
斜投影画法による図は、スクリーンに対して平行に配置した立方体に、斜めから「平行光線」をあてて投影されるシルエットを写しとることによって得られます。これは、正面図を正視画法で表現したものに、等角画法または不等角画法で得られるふたつの側面図を合成して得られる図ともいえます。
透視画法による図では、立法体のシルエットは「平行光線」ではなく、固定された点光源から放射状に発する光線によって得られるため、光源側の面が大きく、スクリーン側の面が小さくなります。こうして得られた立方体のシルエットの各稜線を、光源とは反対側に延長していくと一点に収斂します。これを「消失点」といいます。
空間の奥行きや、立体感を表現するために、風景画などでよく用いられる「遠近法」は、こうした「消失点」から逆に引き出した放射状の直線を利用しています。そして「消失点」を1点だけ想定したものが一点透視画法、2点想定したものが二点透視画法、3点想定したものが三点透視画法です。
ちなみに、このような「消失点」を想定した画法幾何学にもとづく「遠近法」とは別に「空気遠近法」といわれるものもあります。「空気遠近法」では、大気・空気の透明度によって、遠く・深くなるほど物体の形象が不鮮明になる現象を、絵画表現に応用しています。
正投影画法による図は「平行光線」といって、光線がつねにスクリーンに対して直角にあたるように光源を平行移動させながら被写体を照らしたときに、スクリーンに投影されるシルエットを写しとることによって得られます。
立方体をスクリーンに対して平行にセットする正視画法では、投影された図形にひずみがない正方形となり、各辺が立方体の寸法と等しく表現されます。ただし、立方体の一面しか表現できません。これに対して立方体を傾けてセットする等角画法と不等角画法では、立方体の三面を表現することができます。このとき、立方体の頂点を光源に向けて、稜線の角度が120度になるように配置するのが等角画法です。そのシルエットは円に内接する正六角形となり、すべての稜線の長さと各面の面積は等しく表現されます。不等角画法では、任意の角度を与えることができますが、そうすると、各稜線の長さも各面の面積も等しくなりません。ただ、一面だけを大きく投影できるので、三面すべてを示しながら主要な一面だけを強調する必要がある表現に適しています。
斜投影画法による図は、スクリーンに対して平行に配置した立方体に、斜めから「平行光線」をあてて投影されるシルエットを写しとることによって得られます。これは、正面図を正視画法で表現したものに、等角画法または不等角画法で得られるふたつの側面図を合成して得られる図ともいえます。
透視画法による図では、立法体のシルエットは「平行光線」ではなく、固定された点光源から放射状に発する光線によって得られるため、光源側の面が大きく、スクリーン側の面が小さくなります。こうして得られた立方体のシルエットの各稜線を、光源とは反対側に延長していくと一点に収斂します。これを「消失点」といいます。
空間の奥行きや、立体感を表現するために、風景画などでよく用いられる「遠近法」は、こうした「消失点」から逆に引き出した放射状の直線を利用しています。そして「消失点」を1点だけ想定したものが一点透視画法、2点想定したものが二点透視画法、3点想定したものが三点透視画法です。
ちなみに、このような「消失点」を想定した画法幾何学にもとづく「遠近法」とは別に「空気遠近法」といわれるものもあります。「空気遠近法」では、大気・空気の透明度によって、遠く・深くなるほど物体の形象が不鮮明になる現象を、絵画表現に応用しています。