グローバルとローカル(1) ─ コンビニ ─
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コンビニはいまや街の主役である。もとはアメリカ生まれだが、現在ではヨーロッパ、日本をはじめ、アジア、アフリカを含めた世界中に広まっている。特徴は、どこの店でも、扱っている商品や陳列はほぼ同じ、しかも店内は無臭で清潔、値段は定価という点だ。じつに、コンビニこそは、グローバリズムを象徴する普遍的なシステムなのかもしれない。
だが、無臭のはずのコンビニも、できてしばらく時間が経ってくると、その国や地域独特のにおいを放ち始める。例えば、ソウルのコンビニではキムチのにおいが漂ってくる。においは、原則としてローカルなものだ。だとすると、こうした事実は、グローバルなシステムも、結局はローカルな土壌にのみ込まれていく、ということを暗示しているのかもしれない。
国立民族学博物館 川口幸也
だが、無臭のはずのコンビニも、できてしばらく時間が経ってくると、その国や地域独特のにおいを放ち始める。例えば、ソウルのコンビニではキムチのにおいが漂ってくる。においは、原則としてローカルなものだ。だとすると、こうした事実は、グローバルなシステムも、結局はローカルな土壌にのみ込まれていく、ということを暗示しているのかもしれない。
国立民族学博物館 川口幸也
毎日新聞夕刊(2005年10月5日)に掲載