グローバルとローカル(5) ─ 映画の力 ─
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中国でも韓流ブームが進行中だが、国交回復以来の30年あまりを振り返ると、中国人の心をしっかりとらえた日本の映画やドラマも少なくない。中でも映画「君よ憤怒の河を渉れ」は突出している。
中国での全国公開が始まったのは、数々の苦しみを生んだ文化大革命の傷跡が癒えない1979年。冤(えん)罪をこうむった高倉健演じる主人公が真犯人を追っていくストーリーは、乾いた砂に水がしみこむように中国の人々の胸に入り込んだ。今から3、4年前、私はそのサントラ盤CDがまだ店頭で売られているのを見つけた。それは本家の日本でよりも中国で特別の映画であるような気がする。
国際的に著名な張芸謀監督も高倉健に胸躍らせた一人らしい。その2人が一緒に仕事をした日中合作映画がまもなく公開される。
国立民族学博物館 横山廣子
中国での全国公開が始まったのは、数々の苦しみを生んだ文化大革命の傷跡が癒えない1979年。冤(えん)罪をこうむった高倉健演じる主人公が真犯人を追っていくストーリーは、乾いた砂に水がしみこむように中国の人々の胸に入り込んだ。今から3、4年前、私はそのサントラ盤CDがまだ店頭で売られているのを見つけた。それは本家の日本でよりも中国で特別の映画であるような気がする。
国際的に著名な張芸謀監督も高倉健に胸躍らせた一人らしい。その2人が一緒に仕事をした日中合作映画がまもなく公開される。
国立民族学博物館 横山廣子
毎日新聞夕刊(2005年11月2日)に掲載