成長と試練(6) ─ 上山下卿 ─
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20世紀の中国のキーワードは「革命」。1968年に始まり、10年も続いた「上山下卿(じょうざんかきょう)」とよばれた運動は、その革命の一つである。10年間、2000万人の中学・高校の卒業生が「知識青年」として都市を離れ、農山村に赴いた。やむを得ず都市を離れた人もいたが、多くの若者は政府のこの呼びかけを革命の試練として受け止め、農山村の社会主義建設に貢献し、自分たちの利己的な世界観を改造しようと本気に思った。
しかし、農山村の現実は彼らの予想よりはるかに厳しく、幻滅を覚えた人が少なくなかった。いま、ほとんど都市に引き揚げた元知識青年は「上山下卿」に対して賛否両論に分かれている。「上山下卿」運動は為政者にとっては未曽有な実験であり、民衆にとっては悲愴(ひそう)な社会実践である。
国立民族学博物館 韓 敏
しかし、農山村の現実は彼らの予想よりはるかに厳しく、幻滅を覚えた人が少なくなかった。いま、ほとんど都市に引き揚げた元知識青年は「上山下卿」に対して賛否両論に分かれている。「上山下卿」運動は為政者にとっては未曽有な実験であり、民衆にとっては悲愴(ひそう)な社会実践である。
国立民族学博物館 韓 敏
毎日新聞夕刊(2007年3月14日)に掲載