旅・いろいろ地球人
くむ
- (9)旅行の計画 2010年7月28日刊行
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近藤雅樹(民族文化研究部教授)
ルーブル美術館の「モナ・リザ」に群がる観光客旅行雑誌やガイドブックを見ながら、計画をたてていると、それだけで旅行した気分になるという知人がいる。
退職した同僚が、元課長とパリ観光に出かけたときの話。夕食どきのモンマルトルで、元課長が「次の角を曲がった先にいいお店がある」と言いだしたのだとか。
「えっ、パリは初めてなんじゃ・・・?」「ビデオ借りて、何回も確かめてきましたんや」
今なら、CDか、それとも現地で直接ケータイナビか。
「いろんなトコのビデオガイドがあるのん、先生、知りはらへんの?」
聞いていて「いくら何でもそりゃ、予習過剰だよな」と思った次第。これでは肝心の旅の本番が、お勉強したことの「おさらい」にならない?
私も、宿の手配は早くする方だし、着替えと薬の用意も怠らない。海外なら訪問先の治安とマナーなど注意事項は機中・車中で必ず読み返す。誰かと約束した時間を最優先に日程を組む。でも、あとはアバウトのひとこと。のんびりと味わう朝風呂の時間も大切にしている。
旅の魅力はリフレッシュと出会い体験の発見。到着してから気づいた見所や味処(どころ)があると、ぜひ、行ってみたくなって、ゾクゾクしてくる。シリーズの他のコラムを読む
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