国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「大正昭和くらしの博物誌 ─ 民族学の父・渋沢敬三とアチック・ミューゼアム」

Attic Museum Collection


渋沢邸平面図とアチック・ミューゼアムの位置の変遷


 日本経済会の生みの親、渋沢栄一が明治9(1876)年、清水建設(株)の始祖・清水喜助に依頼し、東京深川に建てた和風二階建ての木造建築である。部屋は26室から成り、内玄関・土蔵を含めて240坪(約793平方メートル)。邸がたびたび大水に遭うので明治42年三田綱町(港区三田)に移された。昭和4(1929)年、孫の敬三が一部解体して洋館を増築した。増築部分(着色部)は7室88坪(約291平方メートル)で、和風と洋風をあわせた延べ面積は327坪(約1084平方メートル)となった。

渋沢邸図面

渋沢邸写真
渋沢邸の写真。南面する庭にテニスコートがある。明治42年頃に父篤二〈とくじ〉が撮影。(『柏葉拾遺』から)

(1)昭和2年に新築された車庫の屋根裏に移動。
(2)敬三たちがコレクションを陳列した物置跡地。昭和5年に木造二階建てを建築し(1)より移転、2年後に水産史研究室(祭魚洞文庫)を増築、渡り廊下でつないだ。
(3)3階建の書庫。
古牧温泉渋沢公園への移築を機に作成された図面(作成仲條憲郎、古牧温泉渋沢公園提供)に、渋沢雅英氏の記憶をもとにアチックの建物と書庫などがあった場所を加筆(トレース 竹中直)。