国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

「シェルパ」と道の人類学  2020年2月22日刊行

古川不可知(著)

亜紀書房
【科研プロジェクト成果】

出版物情報

主題・内容

エベレストの南麓に位置するネパール・ソルクンブ郡を舞台に、シェルパの人々の生活と観光化による変容を記述した。また、険しい高山の環境下において「道」とはなにか、歩くとはどのような実践かを考察した。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

ティム・インゴルドを中心に最新の人類学の議論を取り入れつつ、日本でも比較的よく知られるシェルパとエベレスト地域の山岳観光を対象として論じた本であるため、研究書としても一般的な山の本としても楽しめる一冊になっていると思います。

目次

序章
第Ⅰ部 流動するヒマラヤ世界
第1章 道・歩くこと・環境
第2章 調査地概要 ――エベレスト地域と「シェルパ」
第3章 「仕事は探検」 ――シェルパの村の生業と変容
第Ⅱ部 山道を歩く人々
第4章 荷運びの苦痛と希望 ――ローカル・ポーターとトレッキング・ポーター
第5章 道を案内する ――トレッキング・ガイドと観光客
第6章 山中に道を作る ――職業としての「シェルパ」をめぐる語りと実践
第Ⅲ部 道そのものに向かって
第7章 歩く身体、道としての身体
第8章 インフラストラクチャーとしての山道 ――山岳観光地域における「道」と発展をめぐって
終章