国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

館員の刊行物

会計学と人類学のトランスフォーマティブ研究  2021年2月26日刊行

出口正之/藤井秀樹(編著)
早川真悠/大貫 一/深田淳太郎/工藤栄一郎/
三代川正秀/尾上選哉/古市雄一朗/竹沢尚一郎/
山田辰己/石津寿惠(著)

清水弘文堂書房
【共同研究成果】

出版物情報

主題・内容

グローバル現象に対して全く正反対の方向性を有する人類学者と会計学者による、既存学問を変身させる(トランスフォーマティブ)研究。人類学者のフィールドワーク研究の成果から会計学の会計公準の変更に迫る。企業中心に社会を考える「ビジネスセントリズム」の蔓延を批判。

おすすめのポイント(読者へのメッセージなど)

長年展開されてきた「タコつぼ研究」批判に対して、既存学問の成り立ちから考察して「領域設定総合化法」として初めて具体的ステップを提示した。ジンバブエのハイパー・インフレやパプアニューギニアの貝貨による納税などの人類学者の研究成果を会計学者が会計学に取り入れた。
理系研究者にも読んでもらいたい。

目次

 

第1章 領域設定総合化法によるトランスフォーマティブ研究序説(出口正之)
第2章 会計研究に対する人類学の示唆―会計の基礎概念と利益計算の性質(藤井秀樹)
第3章 ハイパー・インフレ下の人びとの会計―多通貨・多尺度に着目して(早川真悠)
第4章 ハイパー・インフレ下の人びとの会計―日々の経済現象と会計理論との接点に着目して(大貫 一)
第5章 交換レートを作り出す―貝貨の支払い方から考える会計の基準(深田淳太郎)
第6章 会計史研究と人類学の対話可能性(工藤栄一郎)
第7章 道具に制約された会計学的思考(三代川正秀)
第8章 非営利「領域研究」の会計学的アプローチ―公益法人会計基準をめぐって(尾上選哉)
第9章 非営利「領域研究」のビジネスセントリズム的理解―公益法人会計基準をめぐって(出口正之)
第10章 非営利「領域研究」としての贈与取引の会計学的理解 (古市雄一朗)
第11章 非営利の世界 ― 講と協同組合のあいだ(竹沢尚一郎)
第12章 グローバル基準としてのIFRS―基礎的概念にも触れて(山田辰己)
第13章 先行者としての米国―医療福祉サービス提供主体の財務情報公開と日本への示唆(石津寿惠)

 

関連動画[BLV(Book Launch Video)]

『会計学と人類学のトランスフォーマティブ研究』の魅力や研究の背景を紹介(TouTube)